1985年,日本,80分
監督:黒沢清
脚本:黒沢清、万田邦敏
撮影:瓜生敏彦
音楽:東京タワーズ、沢口晴美
出演:洞口依子、伊丹十三、麻生うさぎ、加藤賢宗

 黒沢清監督の「神田川淫乱戦争」に続く長編第2作。当初にっかつロマンポルノの一作として公開される予定だったが、試写を見たにっかつ側が「これはポルノではない」と拒否し、ディレカンとEPICソニーの出資で追加撮影、再編集が行われ、2年後に一般映画として公開されたという逸話を持つ作品。黒沢監督の一般映画デビュー作となった。
 物語は平山教授(伊丹十三)とアキ(洞口依子)を中心に展開されるが、物語らしい物語はなく、なんとも不条理な世界が展開する。  加藤賢宗の俳優デビュー作でもある。

 伊丹十三は「神田川淫乱戦争」を高く評価し、この映画への出演が実現した。その後も黒沢と伊丹の関係は続き、黒沢清は伊丹プロ製作の「スウィートホーム」の監督をするなどした。
 この映画はとにかく、破天荒で、以下にもデビュー作という感じがして面白い。同じくピンク映画で監督デビューした周防正行(「変体家族・兄貴の嫁さん」)と比較してみても面白いかもしれない。このふたりは同じ立教大学の出身で、年もほぼ同じ、同じ蓮実重彦の授業を受けていたらしい。蓮実重彦は周防監督の「変体家族~」を84年度のベストファイブに推し、当時お蔵入りとなっていた「女子大生・恥ずかしゼミナール」(この映画の原題)をみて、「変体家族~」と並べて評価している。
 カルトな映画ファンなら見逃せない作品かもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です