The Child and The Soldier
2000年,イラン,90分
監督:セイエッド・レザ・ミル=キャミリ
脚本:モハマド・レザイ=ラド
撮影:ハミド・コゾーイ
出演:メヘディ・ロテフィ、メヘラン・ラジャビ、ルーホリラ・ホセティ、ビザン・ソルタニ

 ある基地の大晦日、若い兵士が軍曹に正月休暇を早めてくれと頼みに行くが、もちろん聞き入れられない。そんな時、盗みでつかまった少年をテヘランの少年院へ連れてゆくという任務がしょうじた。軍曹は少年を送り届けることを条件に、休暇を早めることを認めるのだが、そこは大晦日、テヘランへの交通手段はやすやすとは見つからず、二人はヒッチハイクをすることに。
 非常にオーソドックスで良質のイラン映画。少年が出てきて、教訓めいたお話で、ちょっと感動的で、風景が美しくて、そんないい映画です。

 イラン映画といえば少年。この映画もやはり少年。しかし、今度の少年は盗みをした少年。と、いうことは教訓じみた話になるはず。と、思ったらやはりそう。少年は最後「二度としないよ!」と怒ったように言い放つのでした。
 しかし、この映画のいいところは、一方的にそういう教訓話にしてしまわないところ。軍隊の融通の利かなさや、おとなの身勝手さもしっかり欠いているところ。なんだか久しぶりにいい話を見たわ。という感じです。
 ところで、この映画で一番好きなキャラクターは運転手のおじさん。レスリングをやっていたというデブのおじさん。そのおじさんが一年歳後の夕暮れに、トラックの上でお茶を飲んでいるシーンは最高です。いいぞおじさん。
 さらにところで、この映画で、主人公が家族と新年を迎える場面が昼間なんですが、イランでは日付は昼間に変わるんですかね? そうなんでしょうねおそらく。これはイスラムの暦の問題なんでしょうか? どなたか知っていたら教えてください。やはり我々(私だけ?)はイランとかイスラムについてあまり知らないんですね。イラン映画を見るたびにそう思います。今日は本気でペルシャ語を習おうかと思いました。
 ほのぼのといい映画でした。

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