1971年,日本,90分
監督:増村保造
原作:野坂昭如
脚本:今子正義、伊藤昌洋
撮影:小林節雄
音楽:渡辺岳夫
出演:関根恵子、大門正明、蟹江敬三、松坂慶子

 工場で働く少女は郷里に病気の姉と母がいる。度々金を無心にくる母に嫌気がさした少女はホステスをしようとホステスになった元同僚に電話をかけようとする。公衆電話でその電話番号を探しているところへチンピラの少年がやってきた。少年は彼女をお茶に誘う。しかし2人には無邪気とはいえない運命が待っていた…
 大人の世界に翻弄される少年と少女を描いた恋愛ドラマ。若い女優を主人子に据えてとるというのも増村の常套手段のひとつ。この作品を最後に増村は大映を去った。

 増村にしては素直な映画で、ことがこうあって欲しいという方向に順調に進んでいく。なんとなく驚きが少なく感じてしまう。映像はいつも通りさえているのだけれど、それほどすごい! と圧倒されるほどの構図はなかったと思う。なんだか、増村保造は結局ロリコンで、若い女優を使って甘っちょろいロマンスを撮りたかっただけなのか?
 という疑問が浮かんでしまうのは、「でんきくらげ」や「大地の子守歌」のほうが断然面白かったからだろうか。  この映画で白眉は松坂慶子。ちょい役だけど「かわいい!この子誰?」と思わせる。松坂慶子主演でやったらもっと面白かったかも?

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