Xiu Xiu: The Sent Down Gir
1998年,アメリカ,99分
監督:ジョアン・チャン
原作:ゲリン・ヤン
脚本:ジョアン・チャン、ゲリン・ヤン
撮影:ユエ・ルー
音楽:ジョニー・チェン
出演:ルールー、ロプサンガオ・ジェ

 成都の学校を卒業した文秀(ウェンシュウ)は田舎の工場へ労働奉仕に行くことになった。シュウシュウと呼ばれた少女時代に別れを告げ、彼女は仲間とトラックで出て行った。最初は順調に働いていたシュウシュウはある日、老金(ラオジン)とともに牧場で働くよう言われる。
 「ツイン・ピークス」で有名な女優ジョアン・チェンの初監督作品。美しい映像に女性らしい繊細さが漂う作品。

 映像がきれい。といっても構図がどうとか、撮り方がどうとかいうことではなくて、単純に美しいものを撮っているという感じがする。といってもただ美しいものにカメラを向ければ美しい映像が出来るというわけではないので、かなり気を使って撮ったのだろうということは感じられた。
 それなりにいい作品なんだけれど、一番気になったのは語り手である男の子。一貫して彼が語り手であるのだけれど、見ている間それをずっと忘れていて、最後に再び彼の語りが入ったところでそれを思い出させられる。しかし、それで思うのは「うそ臭い」ということ。ずっと成都にいた彼が語り手である必要はないし、細かいことを知っているはずがないと思ってしまう。むしろ語り手なんかなくしてしまったほうが映画としては納得がいっただろう。それに、シュウシュウに恋焦がれていた彼がこんな徹底して悲劇的な物語を語れるはずがないと思ってしまう。
 「オータムン・イン・ニューヨーク」でも感じたことだけれど、なんとなく過度にロマンチックな感じで、個人的にはあまり好きになれない。ここまで徹底的に悲劇なんだから、もっと冷たく撮ってしまったほうがよかったんじゃないかと思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です