6才のボクが、大人になるまで。

映画の「時間」というのは基本的には物理的な上映時間を示すわけだが、それ意外にも映画が描いている「時間」というものがある。ほんの短い数時間を描いたものから、悠久の時を描いたものまで、そのバリエーションは様々だが、その時間の経過の仕方というのは、映画を見終わった後に感じる「長さ」に影響をあたえる気がする。

そんなことを言うのも、この映画を見終わった時、なんだかすごく長い時間が経ったような気がしたからだ。上映時間も165分と長いのだけれど、描かれているのも6才の少年が18才になるまで。しかもそれを演じているのは1人の役者で、実際にその時々にその年令の役を演じている。つまり、撮影に12年もの時間がかかるという壮大な規模の作品なのだ。

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アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生

ドキュメンタリー映画の中には、いわゆるマスメディアではこれまで注目されていなかったような人にスポットを当て、その結果、その人達が有名になるというような話が結構ある。特に海外の作品では、日本では全く知られていないような人が、日本で有名人になったりすることがある。

例えば、『ハーブ&ドロシー』なんかはその好例で、アメリカの美術界では知る人ぞ知る存在だった普通の人達が一躍有名人になった。

この『アドバンス・スタイル』も、ただのファッション好きでしかなかった高齢の女性たちが、ブログや映画を通して有名になり、有名ブランドのモデルに成ったり、全国ネットのバラエティーショーに出るようになったりするという映画だ。

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ダムネーション

この映画はタイトル通り「ダム」の映画だ。巨大なダムの完成を祝うルーズベルト大統領の演説から始まり、19世紀から作られてきたアメリカのダムの歴史も紹介され、地図上に示されると驚くべきとしか言うしか無いほどの数のダムがアメリカに存在していることもわかる。

他方で、この映画は「サーモン」の映画でもあるといえる。サーモンはネイティブ・アメリカンにとって重要なタンパク源で、先祖代々の漁法によって資源量も維持しながらずっと獲ってきたが、ダムの建設によって資源量が激減し、映画の舞台となるワシントン州では1匹しか遡上してこない年もあったといい、それが建設時に魚道を作るなどとしていた保護の約束が果たされていないことに起因することもわかる。

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

アレハンドロ・G・イニャリトゥというと、『アモーレス・ペロス』は面白かったけど、『バベル』とかはどうなんだろうという感じで、そういえば『BIUTIFUL ビューティフル』は見たっけな?

それでも、実は意外と好きな監督で、最新作が公開されると言われれば気にはなる。他にはないというか、独特の「空気」が映像からにじみ出てくるようで好きだ。

その「空気」というのはどちらかと言うと暗い感じの空気で、それは、人間の心の闇のようなものを描いているというのもあるが、同時に色彩を多く使いながら、それを重ねあわせることで、多すぎる色が混ざり合ったキャンバスのような暗いトーンの映像を生み出しているという事も言える。

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チョコレートドーナツ

舞台は1979年のアメリカ、自分がゲイであることを押し殺して来たと思われるポールが、ゲイバーでダンサーとして踊るルディに出会い、惹かれてしまう。ポールはゲイの世界に飛び込むことを躊躇し、ルディに対して煮え切らない態度を取る。

一方、ルディの方は、アパートの隣の部屋でドラック漬けの母親と暮らすダウン症の少年マルコに出会う。母親が逮捕され、マルコは施設に送られるが、施設を逃げ出してきたマルコをルディは自分の家に連れ帰り、検事局に勤めるポールに相談する。

そんな経緯からカップルとなったポールとルディはマルコと幸せに暮らすが、マルコを取り上げられることとなり、2人は弁護してくれる黒人弁護士のロニー・ワトソンと出会う。
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テッド

友だちのいない少年がクリスマスプレゼントにクマのぬいぐるみをもらい、少年の願いが通じてそのぬいぐるみがしゃべるようになる。一般的なファンタジーならその少年はそのことを隠し、自分だけの友だちとして過ごしそうなものだが、この映画ではそのことは公表され、ぬいぐるみのテッドは人気を博しセレブになってします。そしてそれから20年後…

クマのぬいぐるみがマリファナをやり、シモネタを連発するという設定でもう笑える。セス・マクファーレンはこの作品が初監督作品だというのだからかなりの曲者だ。コメディというのはなんといっても意外性とかギャップというものが重要で、この作品はアイデアひとつでその重要なポイントを簡単にクリアしてしまう。

あとは、バカバカしいコメディに、主人公のジョン・ベネットの成長物語というスパイスを効かせれば出来上がり。大人になれない男というのもこういうコメディ映画では鉄板の主人公だ。

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her/世界でひとつの彼女

 近未来のロサンゼルス、依頼を受けて手紙を代筆する会社に勤めるセオドアは、別居して1年が経つ妻のキャサリンのことが忘れられず、鬱屈とした毎日を過ごしていた。ある日、最新型のAI型OS“OS1”の広告を目にしたセオドアは早速購入し、インストールしてみる。そのOSは自らをサマンサと名づけ、セオドアと会話をはじめた。会話によって成長するサマンサは徐々にセオドアと打ち解け、少しずつお互い惹かれるようになる…
近未来を舞台に、人間とAIの恋を描いたラブストーリー。直球のSF的題材ながら古典的なラブストーリーとして秀逸で「これぞ映画」と言いたくなる名作。

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キャプテン・フィリップス

 海運会社に務めるリチャード・フィリップスはオマーンからケニヤに物資を運ぶ船に船長として乗り込んだ。一方、ソマリアの漁村では、漁師のムセが現地の権力者に迫られ、海賊行為のため船に乗り込む。リチャードが海賊が出るとの情報を得て、船員に緊急訓練をさせていたところ、追尾してくる2艘の不審な船に気づいた…
実際に海賊の襲撃を受けた経験を持つ船長の回顧録を映画化。海賊との戦いを描いたパニック映画。

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デタッチメント 優しい無関心

 「荒れた」高校に臨時教師として赴任したヘンリー、太り気味の少女メレディスを始め、生徒の心を徐々に捉えていくが、ボケて入院する祖父を抱える彼の生活は孤独だった。そんなヘンリーはある夜、車内で売春婦らしい少女エリカを助け、自分の部屋で休ませるが…
様々な孤独を心に抱えた人々を描いたドラマ。言葉少なに人々を描く人間描写が素晴らしい。監督は『アメリカン・ヒストリーX』のトニー・ケイ。

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ファミリー・ツリー

オアフ島の弁護士マット・キングは妻がボートの事故で意識不明の重体に陥り、10歳の次女スコッティの世話を久しぶりにしながら妻の病院へと通う日々。一方でカウアイ島にある先祖から受け継いだ兄弟な原野を売却しなければいけない事になり、親族との話し合いの必要に迫られていた。さらに、全寮制の学校から呼び戻した長女のアレックスから思いもしない事実を告げられる…

ハワイを舞台に「家族」について考えなければいけない事態に直面した中年男性の心を描くドラマ。監督は『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペイン。微細な心の動きを描くのがうまい。

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