Rounders
1998年,アメリカ,121分
監督:ジョン・ダール
脚本:デヴィッド・レヴィエン、ブライアン・コッペルマン
撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ
音楽:クリストファー・ヤング
出演:マット・デイモン、エドワード・ノートン、ジョン・タトゥーロ、ファムケ・ヤンセン、ジョン・マルコヴィッチ

 ポーカーで学費を稼ぐロースクールの学生マイク(マット・デイモン)は有り金すべての3万ドルを用意して、勝負に臨むがあえなくすってしまう。マイクはポーカーを止めることを決意し、配送のアルバイトに精を出す。しかし、そんな時、昔のギャンブル仲間ワーム(エドワード・ノートン)が刑務所から出所してくる。
 マット・デイモンはギャンブルをしていてもまじめ青年。ストーリ自体もなかなか面白いが、脇役に個性的な役者がそろっているのが楽しい。恋愛はほんの飾り物にすぎない「男」の映画。

 なんと言っても、エドワード・ノートン演じるワームのバカっぷりがすごい。そしてマイクのお人よしっぷりが。いくらなんでもここまでバカなやつもいないだろというくらいバカを繰り返すワームに、なぜかいつまでもやさしく振舞うマイク。その関係性が映画を面白くしているのだろう。そのあたりが作り手は巧妙だ。マイクのモノローグを織り交ぜることで、観客をマイクの側に立たせる(必ずしもマイク自身に自己投影させるわけではない)。それで観客はワームのことが腹立たしくて仕方がなくなるわけだ。そしてさらに、マイクがワームをかばう気持ちもわかるというようにさせる。それで、KGBに立ち向かう準備は整ったというわけだ。余計な恋愛話もなくなったし、あとは男と男の一騎打ち。これはつまり、現代版の凝った作りの西部劇なのですね。クライマックスは一対一のガチンコ勝負。ずるはなし、脅しもなし。 

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