Chungking Express
1994年,香港,101分
監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル、ケン・ラーワイ
音楽:チャン・ファンカイ、ロエル・A・ガルシア
出演:トニー・レオン、フェイ・ウォン、ブリジット・リン、金城武、ヴァレリー・チョウ

 「その時彼女との距離は0.1ミリ。57時間後、僕は彼女に恋をした」。
 冒頭のシーンに非常に印象的なせりふのあるこの映画、二つの恋がテイクアウトの軽食屋で交差する。謎の金髪の女と刑事モウ。軽食屋で働くフェイと警官663号。彼女にふられた二人の男の恋物語。
 タランティーノが絶賛し、自らが配給権をとったことから世界的な注目を集めた。確かにいい。すごくスタイリッシュで、リズムがあり、音楽のセンスもよく、映像もこっている。最もカーウァイらしいといえる作品。

 音楽、何といっても音楽、バーで流れるレゲエのリズム、軽食屋で流れる「カリフォルニア・ドリーミン」(だったっけ?)。雰囲気にぴたりと合っているわけではないと最初は思うのだけれど、映画を見て行くにしたがって、その音楽と映像・場面が切り離せないものとして頭に刻みつけられる。そんな素晴らしい音楽の使い方。それはもちろん、クリストファー・ドイルのカメラあってこそなのだけれど。
 ドイルのカメラといえば、この映画で二度ほど使われていた、スロー・モーションというかストップ・モーション。警官663号がゆっくりとした動きをし、そこを無数の人が通過して行くシーン。一つ目は、軽食屋でコーヒーをすするシーン、2つ目はバーでジュークボックスにコインをいれるシーン。このシーンは非常に印象的なのだけれど、どうやって撮っているんだろう? やはり、トニー・レオンがゆっくり動いて、そこを人が急いで歩いて、その速さを調整しているのかな?
 さすが超絶技巧のクリストファー・ドイル。と唸ってしまうシーンでした。

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