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2000年,香港=日本=フランス,194分
監督:ジャ・ジャンクー(賈樟柯)
脚本:ジャ・ジャンクー(賈樟柯)
撮影:ユー・リクウァイ(余力為)
音楽:半野善弘
出演:ワン・ホンウェイ(王宏偉)、チャオ・タオ(趙濤)、リャン・チントン(梁景東)、ヤン・ティェンイー(楊天乙)

 1979年、山東省の小さな町フェンヤン、そこの文化劇団に所属する人々を4人の若者を中心に描いてゆく。70年代、文化大革命の影響で盛んだった文化活動も80年代には陰りを見せ、文化劇団の立場も不安定になってゆく。そんな80年代の中国の移り変わりとそこで暮らす人々の変化をじっくりと描いた秀作。
 3時間以上の長尺だけに、映画全体のペースに余裕があり、物語もじっくりと進んでいく。しかし、決して単調になることなく、物語、音楽、撮り方などで変化をつけ、それほど苦痛ではなく見終わることが出来た。

 最初の数シーン、固定カメラの長回しが連続する。舞台のシーン、バスのシーン、家でのシーン、それぞれヒトの動きがあり、セリフも多く、これをしっかりこなすのは相当大変だったろうと苦労が忍ばれるが、その苦労の甲斐はあって、冒頭から(そういうマニアックな意味で)引き込まれていく。  そこからいろいろな登場人物が出てきて、人物関係が明らかになってゆく展開はオーソドックスだが、なかなかまとまっていて、今度は物語へと人を引き込んでいく。
 そこから先様々な工夫が凝らされていて、かなりすごい。まず、カメラについて言えば、いつのまにかカメラは平気でパン移動をするようになっていて、それが非常に自然。そして最後の最後には手持ちカメラでの移動撮影までが使われる。この辺の画面の変化もなかなか巧妙。それから、時間の経過の表し方。ミンリャンがロックバンドになっていて、チャンチェンの髪の毛がすっかり伸びているところはかなり笑ったが、もうひとつ重要なのは、どこから流れているかわからない、犯罪者のアナウンス。最初は江青で、この人は毛沢東の第3夫人で文化大革命期には4人組と呼ばれる指導者の一人として暗躍、しかし1977年に党を追放され、81年に死刑判決を受けたというひと。なので、このアナウンスがされる時期はおそらく70年代末。次にアナウンスが出てくるのはだいぶ後、名前は覚えていませんが天安門事件の指導者が二人。名前がわからなくても時期的なものと、フランス語が堪能などの特徴を加味すれば大体判るという感じになっている。天安門事件は89年なので、それで大体の時期がわかる。
 江青については詳しいことは今調べてわかったんですが、映画を見るにも一般常識って必要なのね、と実感してしまった次第です。

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