Gods and Monsters
1998年,アメリカ,106分
監督:ビル・コンドン
原作:クリストファー・ブラム
脚本:ビル・コンドン
撮影:スティーヴ・M・カッツ
音楽:カーター・バーウェル
出演:イアン・マッケラン、ブレンダン・フレイザー、リン・レッドグレーヴ

 豪邸でメイドと二人で暮らす老人。彼は「フランケンシュタイン」などの恐怖映画で有名だった映画監督のジェームズ・ホエール。脳卒中で倒れ入院していた彼が家に帰ると新しい庭師が来ていた。ゲイであるジェームズはその若い庭師に興味を示すようだが…
 実在の映画監督ジェームズ・ホエールの晩年に焦点を当てた伝記小説の映画化だが、彼の作品の名場面などを挟み込みながら作られた映画。おそらく、監督のビル・コンドン(主にB級映画の脚本家・監督)がホエールのファンで、撮りたかったという感じの映画だろう。なかなかなんともいいがたい不思議な映画だが、これまた不思議なことにアカデミー脚色賞を受賞している。

 率直な感想としては、「なんかおかしい」という齟齬感があって、それはしかし、面白くないというのではなくて、なんかひとつ転べばすごい面白い映画になりそうな感じ。だから逆にあまり評価はしたくない。映画に努力賞はなくて、結果がすべてなのでね。下手に監督のことを好きだから壊しきれなかったのか、それともまったく壊す気はなく真摯に作ったけれど力量及ばずなのか、微妙なところだけれど、それでも見ている側を引き込むくらいの力はある。
 しかも、ストーリーもよくわからなくて、なんとなく謎めいているんだけれど、そのとらえどころのない謎が解かれるわけでもなく、そもそもその謎が具体的にどんな謎なのかもわからない。
 というわからないことだらけの不思議な映画。見る価値はあったと思いますが、狐につままれたような気分ですね。

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