Bluebeard’s Eighth Wife
1938年,アメリカ,80分
監督:エルンスト・ルビッチ
原作:アルフレッド・サヴォアール
脚本:チャールズ・ブラケット、ビリー・ワイルダー
撮影:レオ・トーヴァ-
音楽:ウェルナー・リヒャルト・ハイマン
出演:クローデット・コルベール、ゲイリー・クーパー、デヴィッド・ニーヴン

 フランスのリヴィエラでパジャマの上着だけを買い求めようとする男。しかし店員に断られ一悶着。そこに現れた令嬢が自分はパジャマの下だけ欲しいと言い出した。よく眠れないという男に令嬢は「チェコスロバキア」を逆からいえばよく寝れると教え、男は令嬢に惚れたらしい。しかし、やはり眠れなかった男はホテルで部屋を変えてもらおうとし、案内された部屋には侯爵という男が居座っていた。しかしその男は昨日令嬢が買ったパジャマのズボンをはいていた。  ルビッチが当時まだ若かったブラケットとワイルダーを脚本家に起用。とにかくすごいスピードで映画が進み、細かい描写は一切省略。今見てどれくらい笑えるかは好みの問題ですが、軽いネタとシニカルな笑いを織り交ぜるところはなかなか巧妙。

 今みると、あまり笑えるネタはないですが、デパートの社長がパジャマのズボンを穿いていなかったりという単純なネタは時代を超えて笑えるものらしい。前半はそんな軽い感じのネタをルビッチのスピードで押し切る感じ、後半はなんだか話も停滞、笑いもシニカルになっていき、なんとなくワイルダー味が出てくる感じ。  ルビッチの作品群の中で特に傑作というわけではないですが、ルビッチらしい作品のひとつだし、ビリー・ワイルダーと組んだというのも話題のひとつにはなるでしょう。ワイルダーは当時まだ30台の前半で監督をやる前、この後「ニノチカ」でもルビッチ・ブラケットと組んでいます。ブラケットは脚本家・プロデューサーとして有名な人で、このあともビリー・ワイルダーとコンビを組み、「サンセット大通り」などで製作・脚本を担当しています。映画史的にいえば、そんな人たちがはじめてであった作品なわけですね。そういうさめた見方をすることも出来ます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です