Kin-dza-dza
1983年,ソ連,134分
監督:ゲオルギー・ダネリア
脚本:レヴァス・カブリア、ゼゲオルギー・ダネリア
撮影:ハーヴェル・レーベシェフ
音楽:ギア・カンチュリ
出演:スタニスラフ・リュブシン、エフゲニー・レオーノフ
いつものように帰宅したウラジミールは妻にマカロニを買ってくるように頼まれ、街へ。街で見知らぬ青年と「宇宙人だといっている」という裸足の男に声をかける。男が「瞬間転移装置」だと主張する小さな機械のボタンを押すと2人は見知らぬ砂漠の真ん中にいた…
幻のソ連製カルトSF映画。とにかく不思議な設定とわけのわからない展開、そして「クーッ」が頭にこびりつく。一度見たら決して忘れることのできない映画。
こんな不思議な映画は見たことがない。とにかく発想がユニークすぎてどうしてそんなことになるのかちっともわからない。予想がつく展開もあるけれど、ほとんどの部分はあまりに展開が唐突でわけがわからん。だからといってつまらないのかというと決してそんなことはなく、ちょっと長いせいで疲れはするものの面白すぎて鼻血が出そう(なんのこっちゃ)。まあ、面白いかどうかは人それぞれかとは思いますが、少なくとも一度見たら決して忘れることができないであろうことは確か。とりあえず、わけのわからないユニークなユーモアにあふれたカルトSF映画として一見の価値があるのです。
このわけのわからなさは、まずは用語の利用法にある。わけのわからない言葉(固有名詞を含む)をいきなり何の説明もなしに登場させることが多い。それから、結局のところみんな何をしているの一向にわからない。まとめてしまえば物事のほとんどについて理由づけがない。あるいは明らかにされない。だから、なんとなく因果律に従って映画を見るのになれている人(普通の人はみんなそう)にはわけのわからないのでした。
ソ連映画(ペレストロイカ前)ということで、検閲の問題とからめて、資本主義の風刺と見る見方もきっとできると思いますが(ウラジミールは最初に二人組と会ったとき、「資本主義の国だ!」と叫ぶ)、そんなことは必要ないし、きっとどうでもいいことで、ただただ世の中には理解のできないものがあると感心すればいいような鬼がしました。
ああ、悔しいけど俺のまけ。いつかどこかでゲオルギー・ダネリアさんにあったらすぐに「クーッ」する。
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