Exit Wounds
2001年,アメリカ,101分
監督:アンジェイ・バートコウィアク
原作:ジョン・ウェスターマン
脚本:エド・ホロウィッツ、リチャード・ドヴィディオ
撮影:グレン・マクファーソン
音楽:トレヴァー・ラビン、ジェフ・ローナ
出演:スティーヴン・セガール、DMX、イザイア・ワシントン、マイケル・ジェイ・ホワイト

 ニューヨーク市警に勤めるボイドは、銃撲滅を訴える副大統領の演説に遅れて参列。その会場を後にした副大統領が襲われたところを孤軍奮闘して救ったが、そのスタンドプレーが上層部の不評を買い、無法地帯として知られる15分署に転属されてしまった…
 スティーヴン・セガールが久々にセガールらしいアクション映画を撮ってくれたという感じ。

 セガールはセガール。とてもヒーローには見えない胡散臭さと、それとは裏腹な正義感ぶりというのがキャラクターにぴったりとくる。だから、この映画のプロットはまさにセガール向き。セガール最高傑作とは言わないまでも、「沈黙の戦艦」に次ぐぐらいの面白さだと思います。
 しかし、セガール映画はいつもそんなにアクションがすごいわけではない。特に最近は。それはもちろんセガールがおっさんで、動きに切れがないからです。昨日のジェット・リーと比べるとかなり見劣りします。しかし、共演のDMXのアクションはかなりのもの。やはりラッパーたるもの立ち回りくらいできなきゃいけないのか。そして顔もかなりの男前。ウィル・スミスよりも俳優として見込みがありそうな気がしますね。
 という感じですが、この映画もまた「マトリックス」が影を落とします。この映画の製作者の一人は「マトリックス」の製作者の1人でもあるジョエル・シルヴァー。もちろんジョエル・シルヴァーはアクション映画のプロデューサーとして知られているので、必ずしも「マトリックス」ばかりがクローズ・アップされる理由もないのですが、この映画がマトリックス後であるのは、その過剰さ。マトリックス以前の(ハリウッドの)アクション映画は特撮などを駆使していかにリアルに見せるかということに精を込めていたように見える。しかし、マトリックス後のアクション映画はその過剰さを売りにする。それはリアルを超えた「ありえねーだろ」といいたくなるような過剰さ。その過剰さを作り出すことがアクション映画に不可欠になっているといえる。
 この映画でも武器の威力も、アクションの立ち回りも現実ではありえないような物が出てくる。冒頭のシーンでセガールが持つ拳銃は機能としては明らかにマシンガンと同じ。果たしてハンドマシンガンはそこまで小型化されたのか?あんな小さいマガジンにどうしてあんなに弾が入るんだ? という疑問がすっかり生じますが、その「リアルでなさ」がマトリックス後のアクション映画の過剰さというものでしょう。

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