2000年,日本,97分
監督:三池崇史
脚本:NAKA 雅 MURA
撮影:田中一成
音楽:石川忠
出演:竹内力、哀川翔、遠藤憲一、青田典子

 スナイパーのミズキは仕事を請け負い、屋上から標的を狙っていた。すると、その標的と一緒に歩いていた男が標的を後ろから撃ち、周りの男達をも皆殺しにしてしまった。自分でしとめたことにしてちゃっかりと金を懐に入れたミズキだったが、銃を乱射した男に見覚えがあった。
 一部に熱狂的なファンを生んだ「DOA」の続編。しかし、前作と共通するのは竹内力と哀川翔のコンビというキャストのみで、設定などは全く違う。前作よりさらに壊した映画となっているが、その結果はいかに。

 これはコメディです。「DOA」といえば、なんといってもあの強烈なラストにつきるのですが、続編になってそのノリを極端なまでに推し進めたという感じ。そうすると、リアリズムからは遠くかけ離れ、ただただ笑いを誘うのみ。 最初のあたりは結構まともで、哀川翔が背中からブロックを出すあたりまでは納得がいくものの、その後のワルノリぶりは一部は面白いけれど、一部はくだらなすぎて笑えない。だからコメディとしても中途半端、アクションとしても中途半端、ということになってしまいます。しかし、よく見ると細かなところに小さくたくさんのネタが詰め込まれていて、細かくつぼをヒットしてきます。たとえば、中国人の三人組は名前がブー・フー・ウー(三匹の子豚かっ!われぇ)。
 だから、面白くないわけでもないし、見ていて退屈するわけでもない。何がいけないのかと一言で言ってしまえば、くどい。子供とか天使の羽とかとにかくくどい。「DOA」のすごさは、とんでもないことをさらっとやってしまうことだったのに、すごいことをすごいこととして描いてしまった。これでは何の意味もない。ただ普通に変わった映画になってしまうのです。
 でも、哀川翔はやっぱりいいな。私はいまの日本の俳優の中で一番だと思います。役所広司よりも浅野忠信よりも哀川翔。哀川翔がいるだけでその映画はなんとなく面白くなる。そんな気がします。だてに年に10本も20本も出てるわけではないね。

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