英雄本色
1986年,香港,95分
監督:ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー
撮影:ウォン・ウィハン
音楽:ジョセフ・クー
出演:チョウ・ユンファ、ティ・ロンレス、リー・チャン、エミリー・チョウ

 偽札製造と麻薬取引を生業とする香港マフィアの幹部のひとりロンは弟のチャンが警官になることを決めたことで、足を洗おうと決意する。そしてロンは親友で弟分のユンファを置いて、最後の仕事を済ませるために台湾へと旅立った…
 いまやハリウッドでも大物となったジョン・ウーの初期の傑作。「香港ノワール」と呼ばれるジャンルの先駆け伴った作品で、香港=カンフーという概念をつき崩した記念碑的作品。

 今から見ればやはり15年前の作品で、なつかしさすら漂います。もちろん、スローモーションの使い方など当時は相当斬新であっただろうことは、今ある幾多のアクションに引けを取らない迫力からも容易に想像できます。しかし、そこは日進月歩のアクション業界。なかなか今も手に汗握って見られるかと、それはなかなか難しいのではなかろうかと思いました。
 しかし、チョウ・ユンファの咥えマッチとレスリー・チャンの甘いマスクは今だからこそいっそう味わい深いのかもしれない。そして人間ドラマとしても濃い。そのあたりにジョン・ウーがブレイクしていった背景が見えるとも思います。
 それにしてもやはり、アクション映画には鮮度が重要なのだと改めて思わされました。これだけの映画でも15年経つと、こんなものかと思ってしまう。それはこの映画の影響力の強さゆえだとはわかっていても、そう感じてしまうもの。それが鮮度ということでしょう。

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