Cleo de 5 a 7
1961年,フランス,90分
監督:アニエス・ヴァルダ
脚本:アニエス・ヴァルダ
撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:コリンヌ・マルシャン、アントワーヌ・ブルセイエ、ジャン=クロード・ブリアリ、アンナ・カリーナ、ジャン=リュック・ゴダール

 癌の恐れがあるクレオは7時に出る検査結果を待って、5時に占い師にタロットで占ってもらう。しかし、その結果は恐ろしいものだった。その結果に恐怖を増しながらも、歌手であるクレオはレッスンを受けたりして時間をすごす。
 パリの街を徘徊する5時から7時までのクレオをただただ追った作品。ヴァルダはこれが長編2作目。劇中劇である短編映画にゴダールとアンナ・カリーナが出演しているのにも注目。

 冒頭のタロット占い(カラー)が結構長く続いて、その終盤で、ぱっとクレオを映す。そこはモノクロで正面から画面いっぱいに捉えられたクレオの目からは一粒の涙がこぼれている。このシーンだけでやられてしまう。どうして冒頭にこんな美しいシーンを持ってこれるのかと思ってしまう。
 映画のほうはというと、全体にかなりおしゃれな感じ。アート系の女の子映画の古典とでも言うべき趣を持つ。そもそもヴァルダはヌーベル・ヴァーグの中でも女性的なものを大きく前面に押し出していた監督で、ヴァルダの発想は現代のアート系女の子映画にももちろん影響を与えている。この映画でもクレオの部屋の感じなんかのあたりにアート系の女の子映画の雰囲気がある。もちんそれでいいんです。全体にも結末にも満足しています。
 ヴァルダの映像はなんとなくものの捕らえ方が大きい気がします。ロングで撮るよりもアップで、画面から対象がはみ出すくらいの大きさで撮る。そんな画面が多い気がします。これはあくまで印象で、具体的にこことこことここというふうには言えないんですが、人物が切れていたりすることが多かったなぁと思ったりします。もっとほかの作品も見てみれば、そのあたりもわかってくるでしょう。そしてどの作品もファーストシーンがいいのかということも。この作品のと「カンフー・マスター!」を見る限りでは、ファーストシーンの魔術師と名づけたくなるくらいです。やはりファーストシーンは重要なのだと実感しました。

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