THE FOUL KING
2000年,韓国,112分
監督:キム・ジウン
脚本:キム・ジウン
撮影:ホン・ギョンピョ
出演:ソン・ガンホ、チャン・ジニョン、パク・サンミョン、チャン・ハンソン
銀行に勤めるデホは今日も朝礼に遅刻し、しかも契約を一つも取れないことを副支店長にどやされる。その日、デホはトイレで出会った副支店長にいつものようにヘッドロックをかけられた。その夜、デホはたまたま通りかかったプロレス団体にヘッドロックのはず仕方を教えてもらおうと尋ねてみた。
シリアスな役の多いソン・ガンホがコメディに主演。覆面レスラーというアイデアとソン・ガンホだけで持っているといっていいかもしれない映画。でも、結構ドツボにはまる人もいるかもしれないと思う。
まあ、とにかくマスクをつけた男というビジュアルありきの映画でしょうか。街中でスーツにマスク。このミスマッチ感はとてもいい。しかし、その割には、マスクの画が多用されるわけでもない。映画の内容としては可もなく不可もなく。言いたいことはわかるし、織り込みたいネタのふりもなかなかなのだけれど、物語の重点というか、プロットの核のようなものがない。ソン・ガンホが演じるデホという男が中心となるものの、そこから出てくる物語はあまりに散漫。いろいろな物語が混在すること事態は悪くないけれど、そのそれぞれの物語の間のつながりがあまりに希薄。それが映画全体の冗長さを生んでしまったのではないかと思われます。コメディ映画はやはりテンポが命。テンポよくやってくれないとネタも生きないということで。
それを補うのはソン・ガンホ。この人はかなりいい役者らしい。「どこが?」といわれると困りますが、キャラクターの作り方が自然。この映画のデホはどうにも情けない男なのだけれど、その情けなさをしっかりと出しながら、決して暗くはならない。そのあたりがうまいといっていいのではないでしょうか?
あと、『アタック・ザ・ガス・ステーション』を見たときにも思ったことですが、韓国映画の音楽はかなりいい。いわゆる洋楽の要素を取り入れながら、しかし今の日本の音楽とも違う太い感じの曲を作る。映画はどうにもならなかった『LIES』ですら、音楽はなかなかのものでした。ただ耳新しいというだけのことかもしれませんが、予告編に流れる音楽を聴いて、なんとなく見に行ってみたくなるのでした。
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