Blow Dry
2000年,イギリス,95分
監督:バディ・ブレスナック
脚本:サイモン・ビューフォイ
撮影:シャン・デュ・ビトレア
音楽:パトリック・ドイル
出演:ジョシュ・ハートネット、アラン・リックマン、ナターシャ・リチャードソン、レイチェル・グリフィス、レイチェル・リー・クック

 イギリスの田舎町キースリー。市長が記者会見場で高らかに宣言したのは、「全英ヘアドレッサー選手権」の開催地に決まったということだった。報道陣たちは興味を失って去っていく中、一人興味を示したブライアン。父親のフィルとともに田舎町で美容院をやっているが、実はその父がもと全英チャンピオンだったのだ。しかし、父親は選手権に興味を示そうとはしない…
 また、イギリスらしいイギリス映画ひとつ。イギリス映画らしい風景にイギリス映画らしい感動。イギリス映画好きにはたまらない作品ですね。

 イギリス映画らしい田舎町に、イギリス映画らしい家族の物語、イギリス映画らしいストーリーがあって、アメリカ育ちの娘がやってきて… 羊も出てくる。何もかもが絵に書いたようなイギリス映画。このイギリス映画らしさはどうもアメリカから見た「イギリス映画」像のような気がしてしまう。主役級の若者2人もハリウッドの若手スターとなると、どうもハリウッド向けという「臭さ」ぷんぷんが漂う。それはつまりなんとなくうそ臭さを感じてしまうということ。周到に感動できるように組み立てられてはいるけれど、その「臭さ」を感じてしまうと、その感動の押し付けがましさが気になってくる。そうはいってもちょっと感動してしまったのですが、そんな風に感動してしまった自分が悔しい気分。
 というようなうがった見方をしさえしなければ、なかなかいい作品です。レイチェル・リー・クックはかわいいし、ジョシュ・ハートネットも情けなくていい味出してるし、感動できるし、その割にコメディの要素も忘れないし。 さて、そんなイギリス映画らしいイギリス映画だったわけですが、ひとつレズビアンという要素が出てきたところがちょっと毛色の変わった感じ。これもアメリカ向けという気もしないでもないですが、奥さんが女の人と逃げるというのはイギリス映画ではなかなか見ない展開。これを見て真っ先に思い出したのは、テレビドラマの「フレンズ」で、それはそれだけアメリカ的なトピックだということなのかもしれません。
 そういう意味でも、絵に書いたようなイギリス映画でありながら、どうもハリウッドの影が見えてしまうという映画。

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