1959年,日本,103分
監督:増村保造
脚本:菊島隆三、増村保造
撮影:村井博
出演:川口浩、山村聡、叶順子、高松英郎
市長選挙に打って出た革新党の候補者落合がストリッパーの死体とともに発見された。西部新聞の記者石塚は現場に居合わせた巡査片山が現場から立ち去った怪しい男のことを警察の生田課長に告げる場に居合わせた。しかしその男のことは闇に葬られ落合が犯人と断定された。石塚は不信に思い取材をはじめるのだが…
増村初の社会派サスペンスドラマ。しかしアップテンポなところは恋愛映画と変わらず、すごいスピードで事件が二転三転していくのが見所。ある意味ではヒーロー映画なので、川口浩ファン(いまどきいないか)は必見です。
100分を越える作品なので、増村としては長いほう。そしてさらに話の展開が異常に早くて、人はバタバタ死に、敵味方がころころ変わり、話はどんどん進んでいく。のに、よく考えてみると1週間に満たない出来事を栄がいた映画。恐ろしい… フツーの人間はあんなに生き急がないぞ。
しかし、その辺が増村的なところで、非現実的なほどのスピード感がなんといっても初期の増村の魅力。そして速さのせいか必然的にドライな感じになるけれど、この映画はかなりロマンティックなヒーロー映画。川口浩は正義の味方って感じで、編集局長とともになぜだか新聞に命を懸ける。後々振り返ってみると腑に落ちないことがたくさんあるのですが、見ているときには圧倒されてまったく気づかない。ということはこの映画は成功ね。2時間見ている人をだませれば映画としては素晴らしい。「世の中所詮偶然に支配されているのよ」とでも思って納得しましょう。
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