Torn Curtain
1966年,アメリカ,128分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:ブライアン・ムーア
撮影:ジョン・F・ウォーレン
音楽:ジョン・アディソン
出演:ポール・ニューマン、ジュリー・アンドリュース、リラ・ケドロヴァ、デヴィッド・オパトッシュルド、ウィッグ・ドナス

 シカゴ大学の教授マイケル・アームストロング(ポール・ニューマン)は学会を抜け出し東ドイツへと亡命を企てる。しかしそこに、置いてきたはずの婚約者サラがついてきてしまい……
 冷戦時代のベルリンを舞台にしたスパイ映画。アルフレッド・ヒッチコック監督50作目という記念すべき作品。いかにもヒッチコックというからくりといかにもヒッチコックという展開。しかし、それは展開を読みやすいという欠点にもなっているかもしれない。過去の名作と比べると見劣りするが、ヒッチコックは駄作は作らない。若いポール・ニューマンもかっこいい。

 「ヒッチコックはハッピーエンド」そう思いながら見てしまうと、ここでも助かる、ここでも助かる、と考えながら見てしまう。どういう助かり方をするのか、どういうふうに警官を巻くのか、そこに興味は移ってしまう。
 ハラハラどきどきのサスペンスというより、クイズのようなもの。劇場での「火事だ!」は予想通り。しかし、”fire!!”と叫んで、ドイツ人はわかるのだろうか?
 冷戦も終わって10年、スパイ映画も作りにくくなってるんだとしみじみ感じた一作でした。

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