ぼくの国、パパの国
East is East
1999年,イギリス,96分
監督:ダミアン・オドネル
原作:アユブ・ハーン=ディン
脚本:アユブ・ハーン=ディン
撮影:ブライアン・テュファーノ
音楽:デボラ・モリソン
出演:オム・プリ、リンダ・バセット、ジョーダン・ルートリッジ、イアン・アスピナル
1971年、イギリスの小さな町に住むジョージはパキスタンからやってきた移民。イギリス人を妻にして6人の息子と1人の娘に恵まれた。長男ナシムの結婚式の日、父親の決めた結婚に納得のいかないナシムは式場を飛び出し、そのまま姿を消してしまう。父親と残された6人の子供達の戦いは続く…
移民・人種という問題を意識させつつ、衝突する家族の物語を撮ってみたという感じ。
なんだか惜しい。面白くなりそうな要素はたくさんあるのに、なんとなくそれが通り過ぎていってしまう感じ。「フード」だってあそこまで固執しておきながらなんとなく描き切れていいない気がする。隣にすんでる壊れためがねをかけた子なんかも、かなりいい味を出しているのにね。
やはり人種や移民という問題を持ってきて、それを中心に据えてしまったために、父親とパキスタン人コミュニティの関係性とか、その父親の意図と子供達の考え方の違いなんかがどうしても大きな割合を占めてしまうようになる。キャラクターが少し紋切り型過ぎたのか、という気がする。むしろこの映画が終わった時点から、親父が気持ち丸くなった(でも芯の所ではちっとも変わっていない)時点からの話の方が映画としては面白くなりそう。
映画の中でも親父側のエピソードより子供側のエピソードの方が面白い。隣の女の子とその親友とか、かなりナイスなキャラが盛りだくさん。テレビドラマ化できるくらいかもしれない。「サンフランシスコの空の下」よりは面白いかもしれない。