Guarding Tess
1994年,アメリカ,95分
監督:ヒュー・ウィルソン
脚本:ヒュー・ウィルソン、ピーター・トロクヴェイ
撮影:ブライアン・J・レイノルズ
音楽:マイケル・コヴァーティーノ
出演:シャーリー・マクレーン、ニコラス・ケイジ、オースティン・ペドルトン、リチャード・グリフィス

 へそ曲がりな元大統領夫人テスと実直なシークレットサービス・ダグが繰り広げる騒動を描いたハートフル・コメディ。
 郊外に引退して暮らしている大衆に人気の元大統領夫人(未亡人)テスのもとで働くダグ、任期を終えてワシントンに戻ったはずがテスの要請によって呼び戻される。会えば喧嘩ばかりするダグをテスはなぜだか手放そうとしない……
 ギャグやドタバタといったいわゆるお笑いの要素はないが、クスリと笑える場面がうまく入れ込まれ、全体の雰囲気を明るく楽しいものにしている。それもこれもテスとダグの二人のキャラクターのなせる技。特にシャーリー・マクレーンが素晴らしい。 

 この映画の笑いはなかなか新鮮だ。最初のほうの場面で、テスが車の座席を動こうとしない場面、まったく無言の長い間がある、ともすれば重苦しい雰囲気になってしまいがちな場面なのに、なぜだ頬が緩んでしまう。これを分析するのは難しいが、サングラスをかけてむっつりしているダグと、知らん振りを決め込んでいるような顔をしてその実笑いをこらえているように見えるテス(ここが重要、観客にこう感じさせる演技ができるシャーリー・マクレーンは素晴らしい)の対照が面白いと言うのか、とにかくそこの場がうまく笑いの空気になっているということだろうか。
 最後にサスペンス仕立てになったのは、ストーリーのちょっとしたスパイスという感じで、まあ、別になくてもよかったような気もするが、あれほどの強情なばあさんを素直にさせるにはこれくらいの荒療治が必要だってことをいいたかったのかな?

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