Hollow Man
2000年,アメリカ,112分
監督:ポール・ヴァーホーヴェン
原案:ゲイリー・スコット・トンプソン、アンドリュー・W・マーロウ
脚本:アンドリュー・W・マーロウ
撮影:ヨスト・ヴァカーノ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:エリザベス・シュー、ケヴィン・ベーコン、ジョシュ・ブローリン、キム・ディケンズ、ジョーイ・スロトニック、メアリー・グランバーグ

 「透明人間」のハイテク・ポール・ヴァーホーヴェン版。
 苦労の末ついに生物の透明化と復元をゴリラの段階まで成功させた天才科学者のセバスチャンは、自らを実験台に人体実験をやることを決意する。透明にして3日後に戻すという計画で、軍部の委員会には内緒で。そうして透明になったセバスチャンはいったいどうなるのか?
 SFXを駆使して「透明人間」に現実感を持たせたところはさすが、SFXを使った映像には迫力がある。しかし、いつものっヴァーホーヴェン節と比べるとプロットにはちゃめちゃさがなく、普通の映画になってしまっているのが残念。

 たしかに、映像はすごい。消えてくとこも戻ってくとこも、本当にすごいし、透明なケヴィン・ベーコンが透明なのに、やっぱりケヴィン・ベーコンなところもすごい。しかし、やはりプロットがね。透明になって、精神的にきつくて(つまりストレスね)、それがいつしか周りに対する憎悪に… なんて、普通のハリウッド映画じゃん。やっぱり、ヴァーホーヴェンは警官がロボットとか、宇宙人が昆虫とか、そう言った奇想天外な設定があってこそじゃないですかねえ。  と思いました。
 (ここからは、勝手な話になって行きますが)たとえば、精神的なストレスが原因とかじゃなくて、透明になったがゆえに殺人鬼になるとか(これは怖い。とりあえず意識を取り戻したとたん、近くにいた人を殺してしまう)。
 そのあたりが、不満ですね。しかし、これだけエロイ、グロイ映画を作ったということは素晴らしいと思います。とかくヒューマニズムに傾きがちで、SFX使ってヒューマンドラマを作ってしまうようなハリウッドで、彼の存在は貴重です。PG12くらいはつけてもらわないと、ヴァーホーヴェンも泣きます。
 と、いうことで、懲りずに次回作も見に行くことでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です