Birdy
1984年,アメリカ,120分
監督:アラン・パーカー
原作:ウィリアム・ワートン
脚本:サンディ・クルーフ、ジャック・ベアー
撮影:マイケル・セレシン
音楽:ピーター・ガブリエル
出演:マシュー・モディーン、ニコラス・ケイジ、ジョン・ハーキンス、サンディ・バロン
バーディとアルは子供のころからの親友。空を飛ぶことを夢見、鳥にあこがれるバーディと女のこの尻を追っかけまわしレスリングをするアル。二人はベトナム戦争に参加し、ともに負傷して帰ってくるのだが、バーディは言葉をしゃべらず、感情もし表さなくなってしまった。
精神病院に収監されたバーディのもとを訪れるアルが昔を回想する形で物語は進む。プロットもよく練られていて、映像も整っているかなり完成度の高い作品。
何かが飛びぬけていいというわけではない。強いて言うならば、バーディとアルのキャラクター。二人の性格がきっちりとしていて、しかもまったく水と油というよりは二人とも強いところもあり弱いところもあるという設定。二人は互いを理解しているようでしていないのかもしれないという関係。他人を完全に理解することなど無理なのだからあたりまえなのだけれど、それが理解できてしまうような幻想を人間は抱く。
バーディは言う「おまえならわかってくれると思ったのに」。それは幻想に過ぎない。しかし、この二人の関係はそこにとどまらない。そのときには理解できなかった感情も時が立てば理解できる。
アルは言う「おまえには付き合いきれないよ」。それはそのとおり。他人のやることすべてに同調することなんてできっこない。しかし、いつの日か付き合ってやればよかったと思う。
言ってしまえば、終盤のヒューマニックなところはどうでもよく、二人が社会に復帰できようと、一生精神病院に閉じ込められようと、どちらでもいい。重要なのは二人が同じ過去を持ち、それを同じく受け入れているということ。
話は変わって、映像的な面では、鳥の話だけあってかなりアングルにこっていた。上からの視線としたからの視点を巧みに使い分ける。精神病院の場面では下からのアングルが多用される。ローアングルというのはかなり面白い画がえられるもので、ここではバーディが「鳥っぽく」見えるという効果を生んでいるのだろう。と言ってしまってはつまらないが、あれが人間の視線と同じアングルではちっとも面白くない画になってしまっていただろうということはいえる。
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