Une Affaire de Gout
2000年,フランス,90分
監督:ベルナール・ラップ
原作:フィリップ・バラン
脚本:ベルナール・ラップ
撮影:ジェラール・ド・バティスタ
音楽:ジャン=ピエール・グード
出演:ジャン=ピエール・ロリ、ベルナール・ジロー、フロランス・トマサン、シャルル・ベルリング
レストランでウェイターのアルバイトをしていたニコラはそこの常連客で実業家のフレデリックに声をかけられ、料理の味見をし、仕事を紹介するといって名刺を貰う。後日ニコラはフレデリックに呼ばれ、彼の味見係として雇われた。
映画はそのエピソードと、いまは刑務所に入っているらしいニコラと周囲の人々に対する弁護士の質問で構成される。
ある種のサスペンスではあるが、実業家と味見係という馴染みのないモチーフだけに難しいが、逆に不思議なスリルもある。
結局何なんだ…
ニコラの人格が刻一刻と換わっていくのはわかるし、それが不自然ではない形で示されているので、すんなりと物語自体には入っていけるのだけれど、結局なにがどうなっているのかわからない。ただ単にフレデリックがそもそも狂っていただけなのか、ただのサディストなのか… ただなんとなく怖い感じ。しかし、その怖い感じはわれわれの視点はニコラの友達の側にある場合に起きるわけで、ニコラやフレデリックの立場に立つと怖さはなくなってしまう。フレデリックはわけがわからないので、入り込めず、ニコラに入り込むのも難しく、結局中途半端な位置で映画と対峙しなければならなくなってしまう。そのあたりがこの映画のなじみにくいところなのでしょう。
そう、なんだか釈然としない作品。ニコラがフレデリックを殺したという結末は映画半ばくらいで予想出来てしまうわけだし… いまひとつ釈然としないわけです。
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