Frequency
2000年,アメリカ,117分
監督:グレゴリー・ホブリット
脚本:トビー・エメリッヒ
撮影:アラー・キヴィロ
音楽:マイケル・ケイメン
出演:デニス・クエイド、ジム・カヴィーゼル、ショーン・ドイル、エリザベス・ミッチェル

 1969年、ニューヨークには80年ぶりに見事なオーロラが出現した。その日消防士のフランクはタンクローリーが横転するという事故に遭遇し、間一髪で閉じ込められた人々を救っていた。30年後、ニューヨークには再びオーロラが出現した。警察官となったフランクの息子ジムは偶然見つけた父が愛用した無線機をつけてみた。そこから聞こえてきたのは、30年前に死んだはずの父の声だった…
 親子の変わらぬ関係を描いた感動作。かと思いきや、その交信がもとで起きてしまう様々な事件が物語りの確信となっていく…
 感動作かと思っていくと拍子抜け。でも、意外と面白いですよ、これ。

 やっぱり問題は邦題かな。ある意味ではいい題名なんだけれど、本来の客層を逃してしまったかもしれない。最初のタンクローリーのシーンを見れば、これが感動狙いのヒューマンドラマではないことは一目瞭然なんだけどね。
 そんなことは置いておいて、30年の時を隔てた親子の交信というなんとなく心温まりそうな話も冷静に考えてみれば、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」を出すでもなく、未来(つまり現在)を変えてしまう危険性を孕んでいることは明らか。「ナイチンゲール事件」もしっかりと69年の時点で複線として出てきていたし。そのあたりの映画の雰囲気の転換がこの映画のすべてといっても過言ではない。あとは映画としてはそれほどすごいものではないし、今までの映画でどこかで見たことがあるようなシーンの連続という感じ。
 だからといってパクリと言う気はありません。しっかりとした映画として作られているし、全体はうまくまとまっているし、火事のシーンには相当迫力がある。ただ目新しさがないというだけ。

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