Requiem for a Dream
2000年,アメリカ,102分
監督:ダーレン・アロノフスキー
原作:ヒューバート・セルビー・Jr
脚本:ヒューバート・セルビー・Jr、ダーレン・アロノフスキー
撮影:マシュー・リバティーク
音楽:クリント・マンセル
出演:エレン・バースティン、ジャレッド・レトー、ジェニファー・コネリー、マーロン・ウェイアンジュ
ビリーは今日も母親のテレビを持ち出し、相棒のテリーとともに海辺の道を運んでいく。なじみのおやじに売ってもらった金でドラッグを買う。二人は金儲けのため、ヤクを買って半分を売りさばくという計画を立てた。一方、母親の元にはテレビの出演者に選ばれたという電話がかかってきて、彼女は有頂天になるのだが…
「π」の 監督の第2作。「ドラッグ」をテーマとし、アヴァンギャルドな映像とサウンドは前作をしっかり踏襲。再び正気を揺さぶるような映画世界を作り出している。
この監督はすごいと思うのですが、やはり「π」の衝撃と比べるとこちらの免疫効果なのかどうなのか、そのショックは小さくなっています。事前の期待度を差し引いて、冷静に見てみればこの作品も「π」も同程度の狂気をはらんでいると思うのですが、映画もドラッグと同じでより刺激的なものを求めてしまいがちなのでしょう。ましてや同じ監督の作品となれば。
ということで、途中までは「アー、なるほどね」とかなり予想通りという感じで見ていたし、監督の神経を逆撫でようとする意図を冷静に分析していたのですよ。そしてそのまま最後まで冷静でいたつもりなのです。が、なぜかラスト5分あたりから異様な感動の渦が私を襲いました。この感動はなんなのか? 決して感動を誘うような作品ではないと思いますが、私を襲ったのはまさに感動。じくじくと狂気のジャブが効いていて、それが最後にあふれ出たのか? ともかくなぞの感動を覚え、エンドロールに流れるストリングスの音に妙に鋭敏になったりしました。一種の擬似ドラックなの?
まあ、とにかく不思議な映画でした。「π」を見たことがない人にはおそらくかなりの衝撃があるでしょう。そして「π」を見たという人も何かを発見できると思う。たぶん。
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