The Usual Susupects
1995年,アメリカ,105分
監督:ブライアン・シンガー
脚本:クリストファー・マッカリー
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
音楽:ジョン・オットマン
出演:スティーヴン・ボールドウィン、ガブリエル・バーン、チャズ・パルミンテリ、ケヴィン・スペイシー、ベニチオ・デル・トロ、ジャンカルロ・エスポジート、ダン・ヘダヤ

 カリフォルニアのサン・ペドロ港に停泊していた船で殺される男、彼は向かい合った男を見て「カイザー」とつぶやいた。それをさかのぼる6週間前、銃強奪事件の容疑者として5人の曲者が集められた。そのうちのひとりヴァーバルが語り手となってそこに至る物語が語られていく。
 アカデミー脚本賞も受賞したクリストファー・マッカリーの一筋縄では行かない脚本が秀逸。マフィア映画でおなじみな人たちにスティーヴン・ボールドウィンとケヴィン・スペイシーが加わったという感じの配役も見応えあり。

 サスペンスの基本はが隠すことであるのは確かで、この映画も「隠すこと」によって物語が成り立っているわけだが、最初のうちは一体なにが隠されているのかわからないというのが面白い。(ネタばれ防止のため多くは語りませんが)後半になると「隠されているもの」が何なのかが明らかになり、その謎解きに収斂するわけだが、その謎解きというサスペンスの本質的な部分よりも、その前のなにが謎なのかわからない状態の方が面白い。
 後半の謎解き部分がつまらないというわけではないけれど、前半の曖昧模糊と部分の方が真実じみていて、どこに向かっていくのかは一行にわからないけれどリアルな感じがするのでした(終わってみて考えるとそれはかなりすごいことなわけですが…)。
 個人的には、出てくる人のほとんどが悪人顔のところがとてもいい。チャズ・パルミンテリなんてどう見てもマフィア顔なのに捜査官。ダン・ヘダヤもそう。ジャンカルロ・エスポジトだけがまっとうそうな人。この物語だけでは終わらない物語がきっとある。そう感じさせる配役。
 まあ、多くは語らない方がいいでしょう。うんうんうなりながら見るよりは、全く無心で予備知識なく見たほうが絶対に面白い。
 ところで、このブライアン・シンガーとクリストファー・マッカリーは「Xメン」で再びコンビを組んでいます。なるほどね。わかるようなわからないような…

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