In & Out
1997年,アメリカ,90分
監督:フランク・オズ
脚本:ポール・ラドニック
撮影:ロブ・ハーン
音楽:マーク・シェイマン
出演:ケヴィン・クライン、ジョーン・キューザック、マット・ディロン、トム・セレック、デビー・レイノルズ

 教え子にアカデミー賞授賞式で「ゲイだ」といわれてしまった高校教師ブラケット。結婚まで決まっている彼は事態の収拾に乗り出すが…
 いわゆるゲイ・コメディだが、純粋にコメディとしてみても面白い。アカデミー授賞式のノミネート作品とか、「男らしさ」講座のテープとか。プロットもよくよく見ると意外と凝っていて最後まで楽しめる。

 脚本家のポール・ラドニック自身がカミングアウトしたゲイであるので、ゲイを馬鹿にして笑い飛ばすという姿勢はとらないが、ゲイであることを隠そうとする人を利用することでゲイを毛嫌いする人々(ホモフォビア)を笑い飛ばす。アメリカはゲイに対する偏見が少ないというけれど、それはあくまで都市部の話で、田舎のほうでは同性愛者に対する意識なんてこの低だのものだろう。記者のラドニックは都市の洗練されたゲイとして田舎のホモフォビアたちのバカらしさを明らかにする。 という物語なわけですが、結局自分がゲイであることを認めないようとするブラケットの振る舞いがいかにゲイ的であるかということが笑いの焦点なわけで、そこを笑えないとつらいかもしれません。
 そういえば、この映画はどこかの映画賞で「ベストキス賞」という賞をとったそうです。なるほどね。

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