美麗時光
2001年,台湾=日本,100分
監督:チャン・ツォーチ
脚本:チャン・ツォーチ
撮影:チャン・イーミン
出演:ファン・チイウェイ、ガオ・モンジェ、ウー・ユゥジィー、ツェン・イーチャア、ツァイ・ミンショウ

 台湾の下町に暮らす一家。働きもせずギャンブルにほうける父親たち、癌に苦しむ娘を抱えながら息子たちはチンピラの仲間入りをしてしまう。この一家の2人の少年を主人公にどことなくファンタジックに描いたドラマ。
 チャン・ツォーチは前作「最愛の夏」が話題を呼んだ新鋭監督。

 普通に見えたドラマが級に転換する面白さ。最後映画が思わぬ展開をしていくために様々な複線が張られている。一番大きいのはもちろん川に飛び込んだ二人というエピソードだけれど、それ以外でも時間の感覚をどこか狂わせるような工夫が凝らされている。そもそも家の周りの迷路のような道。どこがどうなっているのか、最初は全くわからないが、繰り返し家への道をたどっていくうちに分かってくる。しかし結局のところ全体像を把握することはできない。そしてすぐに切れる街灯。熱帯魚。いろいろな要素が見る側の時間の感覚を失わせ、物語り全体を迷路のように構成してゆく。
 あとはどうですかね。道とのかかわりでロングショットが多くて、結構映像的にも面白かったですね。その物語的な特異さを除けば、アジア的なアジア映画という感じです。

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