Joe Versus the Volcano
1990年,アメリカ,107分
監督:ジョン・パトリック・シャンレー
脚本:ジョン・パトリック・シャンレー
撮影:ステファン・ゴールドブラット
音楽:ジョルジュ・ドゥルール、ピーター・ゴードン
出演:トム・ハンクス、メグ・ライアン、ロイド・ブリッジス、ダン・ヘダヤ

 なんとなく体の調子が悪く、医者に言ったジョーは医者から不治の病であると告げられる。余命半年と診断された彼は、人生に開き直り、勤めていた会社を辞める。その夜、元同僚とうまくいきかけるが、彼の余命を聞いて彼女は去ってしまう…
 トム・ハンクスとメグ・ライアンの初の共演作、メグ・ライアンは1人で3役を演じる。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮に名を連ねるドリーム・ワークスの作品で、特撮も「スター・ウォーズ」などでおなじみILMが担当しているが、この映画のどこにそんな特撮が…

 おしなべて平均点のコメディという感じ。トム・ハンクスとメグ・ライアンといういまやゴールデンコンビの2人が出てくると、それだけで恋の予感を感じますが、その予想を裏切りつつ進んでいくというのもうまいです。しかし、展開がよめよめであることも確か。こういう先の展開がすぐに分かってしまう映画を「子供の絵本」ものと私は読んでいます。子供が何度も同じ絵本を読んでもらうのと同じように、私たちは同じ物語を描いた異なる映画を何度も見てしまう。結末も展開も8割方分かっているのに見てしまう。これは多分、裏切られる恐れがなくて安心できるからでしょう。予想を裏切られる展開の映画を見るにはエネルギーが要るのに対して、こういう容易に予想がつく映画はエネルギーが要らない。例え途中でうたた寝してしまっても、画面に戻れば話についていけてしまう。そういう安心感のある映画を見たいこともあります。
 だから、この映画はそういったのどかな気分のときに見なければなりません。「どんな映画だろう?」と胸を躍らせてみる映画ではない。なんだか映画というとどこかにどんでん返しがあって、ハラハラドキドキみたいなイメージが多く、前もってストーリーを言っちゃいけないという不文律が存在していますが、こういった映画に関してはストーリーを全部ばらしてしまっても本当は問題ないはず。でもばらしません。ばらすと笑えなくなってしまうネタが何個かあるから。
 休日の午後、うたた寝を挟みつつ、でも巻き戻しは、せずにごゆっくりご覧ください。

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