Perfect Assassins
1998年,アメリカ,98分
監督:H・ゴードン・ブース
脚本:ジョン・ペニー
撮影:ブルース・ダグラス・ジョンソン
音楽:ジョフ・レヴィン
出演:アンドリュー・マッカーシー、ロバート・パトリック、ポーシャ・デ・ロッシ、ニック・マンクーゾ

 何かのレセプション会場が銃を持った男たちに襲撃される。何人もの要人や警察官が殺され、犯人のうち二人は自殺、一人は逃亡中に捕まった。しかし、その一人も銃口を自分の口に突っ込んで自殺しようとしていた。それを目の当たりにしたFBI捜査官のベン・キャロウェイはこの事件の裏には何かあると感じるが、上司に止められ、独自に捜査を始める…
 典型的なアメリカのB級アクション映画。派手な銃撃戦と、ちょっとしたロマンスと裏切りと。社会批判をスパイスに。そんな映画。

 主役の人は知りませんが、相棒のリオ役は『ターミネーター2』で液体金属の新型ターミネーターを演じた人でした。日本ではあまり目にしないけれど、こんなところに出ていたのね。そしてヒロインの女の人はたぶん『アリー・マイ・ラブ』に出ている人です。主役ではありませんが、それでも男勝りのアクションを展開。こういう華奢な女性が派手なアクションを繰り広げるというのが最近の流行のようです(この映画はちょっと前だけど)。『トゥーム・レイダー』とか、今度公開する『バイオ・ハザード』とか。最近多いですね。
 さて、この映画の結末に用意されているのは、一種の政府批判で、まあたいした批判ではありませんが、基本的に政府やメディアに対する不信感がそこにはある。簡単に言ってしまえば、事件をもみ消してしまうということだけれど、そういうテーマもアメリカにはかなり多い。そういうものを繰り返し見せられていると、やっぱり本当にそうなんだろうなー、という気がしてきて、実際本当にそうなんだろうけれど、何か居心地が悪い。
 そんなアメリカの姿を描きながらも、アメリカにはヒーローもいるというのがこの映画のテーマで、この映画に限らずB級映画にはそんなものが多い。世の中は腐っているけれど、身近にはまだヒーローがいる。そんな希望というか誇りというかそのようなものが良く描かれる。しかし、いわゆる大作ハリウッド映画では(特に最近)世の中が腐っているという描かれ方すらしなくなっている。『ダーティー・ハリー』とか『リーサル・ウェポン』では、組織の爪弾きものが実はヒーローという話だが、そうも最近はヒーローが組織の中でもヒーロー見たいな印象。あくまで印象ですが。
 何を見ても、そんな由々しき状況が見えてしまう。B級映画のほうにアメリカの精神は生きているとわたしは思います。たいして面白くはないけれど、『トータル・フィアーズ』(見てないけど)なんか見るよりは、この映画見てた方がいいと思う。

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