Drowing Mona
2000年,アメリカ,95分
監督:ニック・ゴメス
脚本:ピーター・ステインフェルド
撮影:ブルース・ダグラス・ジョンソン
音楽:マイケル・タヴェラ
出演:ダニー・デヴィート、ネイヴ・キャンベル、ベット・ミドラー、ケイシー・アフレック、ジェイミー・リー・カーティス、ウィリアム・フィクトナー
町中の嫌われ者の中年女モナの運転する車ががけから転落して、モナは死んでしまった。警官のラッシュは殺人事件として捜査を始めるが、夫のフィルをはじめとして疑わしい人物ばかりで、一向に捜査は進まず、小さな町だけに人間関係も複雑で…
ダニー・デヴィートがプロデュースも担当したミステリー・コメディ。全米ではボックス・オフィス第1位にもなった映画で、日本ではビデオリリース後に劇場公開という不思議な展開を見せた映画。コメディに定評のある渋めのキャストとこれからという若手の役者たちがうまく絡み合う。
基本的にはコメディということになるんでしょう。こういうブラックな笑いというものが受ける土壌がアメリカにはある。日本にはあまりない。ベット・ミドラーは最近は忘れられているかもしれないけれど、本当は歌手で、でも俳優としてのほうが売れてしまい、しかもコメディエンヌとしての才能がある。基本的にこの映画みたいなうるさい嫌な女を演じることが(コメディ)では多く、シリアスでは優しいお母さんみたいな役が多い気がしますが、やはり嫌な女のほうがうまい。
よく考えたらこの映画、『殺したい女』の焼き直しじゃない? あれは確か、ダニー・デヴィートとベット・ミドラーが夫婦だったはず。あの映画は面白かったなぁ…
ちょっと違う映画の話になりそうになりましたが、この『MONA』でもベット・ミドラーは(死んでるのに)いい味を出している。いろいろと役者がいるわけですが、(死んでいるのに)一番目立つ。殺された人が主人公という映画もなかなか珍しいんじゃないでしょうか。
そういえば、ベット・ミドラーとキャシー・ベイツって時々ごっちゃになりませんか? キャシー・ベイツはあの『ミザリー』の人ですが、二人ともまるっこくて、おばさんで怖い役をやらせたらうまい。それから、ダニー・デヴィートとジョー・ぺしも。これはちっちゃくてはげてるってだけだけど…
また関係ない話に言ってしまいました。この映画の話をすると、エーと面白いですが、なんとなく全体に暗い感じがする。ずっと曇っている感じ。たぶん低予算映画なので照明をたけなかったのかもしれませんが、とにかく曇り。でも、この曇りってのがモナの怨念みたいな感じでいい。死んでも目立ち、死んでもひとをやな気持ちにさせる。それがモナ。という感じです。
全米1位というのはよくわかりませんが、アメリカ人も超大作ばかり見ちゃいられないってことですかね。こういう普通の映画をみるのも楽しい。
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