スピンオフという名のB級コメディ、ときどきクスリと笑える。

Get Smart’s Bruce and Lloyd Out of Control
2008年,アメリカ,72分
監督:ジル・ジュンガー
脚本:トム・J・アッスル、マット・エンバー
撮影:ルーク・ガイスビューラー
音楽:ポール・リンフォード
出演:マシ・オカ、ネイト・トレンス、ジェイマ・メイズ、マリカ・ドミンスク、J・P・マヌー、ラリー・ミラー

 アメリカの諜報機関“コントロール”の研究員ブルースとロイドは“透明マント”を開発、バッテリーの問題もブルースのひらめきで解決していよいよ完成した。しかし、いざ本部に渡すという段になって盗まれていることが発覚、ブルースとロイドはそれを取り返すべく臨時の工作員になるが…
 『ゲットスマート』のスピン・オフとして制作されたアクション・コメディ。「HEROS」のマシ・オカが映画初主演。

 優秀だけれどドジな研究員ふたり組みがドタバタを繰り広げるという話。まあはっきり言ってただそれだけだ。笑いはちらほら、主役のブルースとロイドのふたりのキャラはなかなか面白いのだが、どうも脚本がもたもたしていてテンポがない。

 スピン・オフ作品ということなので、もとを見ていたほうがいいのかとも思うが、おそらく見ても見なくてもそう変わらない。アン・ハサウェイがカメオ出演するあたりは元ネタと関係してくるのだろうが、ほんのワンカットに過ぎない。

 安っぽいのは仕方がないところだが、もう少し間を詰めて内容を盛り込んでいったらもっと面白い作品になったような気はする。ブルースとロイドの関係(たとえばMITと田舎の工科大学という差)をいじるネタなんかは面白いし、ブルースのガールフレンドになるニーナもいろんな意味で存在感があった。

 しかしこんな作品が作られるというのはマシ・オカがアメリカではかなり人気があることの証左だろう。「HEROS」で人気が出て、『ゲット・スマート』では重要な脇役で出演、『燃えよ!ピンポン』なんかにも出ている。アクション/コメディ映画のアジア系の脇役としてこれからも重宝される存在になるだろう。

 スピンオフ作品というかたちをとっているが、1本の映画にするほどの内容ではなかった。TVシリーズの1話くらいにはなる内容だと思うが、やはり研究員は研究で活躍し、エージェントはエージェントで活躍したほうが映画としては面白い。もちろんそれではスピンオフではなくなってしまうのだが…

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