Man on the Moon
1999年,アメリカ,117分
監督:ミロシュ・フォアマン
脚本:スコット・アレクサンダー、ラリー・カラズウスキー
撮影:アナスタス・ミチョス
音楽:REM
出演:ジム・キャリー、コートニー・ラヴ、ダニー・デビート、ポール・ジアマッティ
サタデー・ナイト・ライヴの第1回放送に出演し、伝説のネタ「マイティ・マウス」を演じた天才コメディアンコメディアン、アンディ・カフマン。天才とも変人とも言われた彼の生涯を、ジム・キャリーが熱演した作品。
全体としてかなりよくできた映画。ジム・キャリーの演技もいいし(しかもそっくり)、話の進行も非常にスムーズ、しかし好みは分かれるところ。私は好き、私は嫌い、私には理解できないなどなど。それはまず、アンディ・カフマンの笑いを理解できるかということにかかっているが、それよりも、カフマンが人々を驚かせることを生きがいにし、生涯をウソで塗り固めてしまったその行動にシンパシーを感じられるかというところだろう。
ちょっと、プレヴューにしては言い過ぎかもしれませんが、私はこの映画が気に入ったので、面白さを理解してもらおうと必死なわけです。みんなが見に行きたいと思うようなコメントを考えるならば、「笑いと感動という併存させることが難しいはずのふたつの要素を見事にひとつの映画の中に併存させ、見た人々をやさしい気持ちにさせてくれる映画」
とでも言うところでしょうか。本当はもっと複雑なんだけど…
この映画の魅力は非常に謎めいているところ。映画を見終わってもまだ果たしてどれが本当でどれがうそだったのかわからないところ。そしてそれをそのまま放置しているところ
もっとも不思議に感じられると思うのは、最後に出てくるトニー・クリフトンは誰なのか?ということだろう。アンディでもボブでもないトニーとはいったい誰か?キャストを見ると、
Tony Clifton……himself
と書いてある。???
ここで考えられるのは、①アンディが死んだというのはやはりウソで、実はトニー・クリフトンとしていきつづけている。②アンディは死んでいるが、トニー・クリフトンという別な人がもともといて、ある時期アンディが彼に成り代わっていた。のどちらかでしょう。どっちなのでしょう?それはわからない。そのわからないということがこの映画の眼目ですから。
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