Good Morning, Vietnam
1987年,アメリカ,120分
監督:バリー・レヴィンソン
脚本:ミッチ・マコーウィッツ
撮影:ピーター・ソーヴァ
音楽:アレックス・ノース
出演:ロビン・ウィリアムズ、フォレスト・ウィテカー、チンタラー・スカパット、ブルーノ・カービイ

 ベトナム、米軍放送の人気DJエイドリアン・クロナウアーから見たベトナム戦争を描いた社会派コメディ。スタンダップ・コメディアン、ロビン・ウィリアムズの本領発揮、喋って喋って喋りまくるマシンガン・トークが面白い。
 しかし、やはりベトナム戦争もの、決して明るいだけでは終わらない、DJではあっても彼も兵士、戦争を避けて通ることはできない。『プラトーン』『ハンバーガー・ヒル』といった「まっとう」なベトナム映画と見比べてみると面白いかもしれません。
 準主役、クロナウアーの相棒ガーリック役のフォレスト・ウィテカーもいい味出してます。 

 久しぶりに、何回目かにこの映画を見て、「この映画が私にとってのロビン・ウィリアムスの原点だ」と気づいた。ロビン・ウィリアムスのほかの映画を見るときにも、いつもこの映画の残像が目の前のスクリーンに投射されていたのだと。簡単に言えば、ロビン・ウィリアムスらしさが凝縮された映画。表情や、動きや。映画全体を包み込む雰囲気とか、これがロビン・ウィリアムス「の」映画。確かに、フォレスト・ウィテカーなしでは成立しないんだけれど、どう見ても、ロビン・ウィリアムスの映画。
 この映画の中でもっともそれが出ているのは、前線に向かう兵士たちのトラックが立ち往生しているところで、ガーリックに促されて、クロナウアーがトークをする場面。話している場面から兵士たちが去っていく場面までのロビン・ウィリアムスの表情を見ているだけで、映画が成り立ってしまう。もちろん、兵士が去っていくところでの、2つの固定アングルの切り返しという映像技術も重要なのだろうけれど、見る側の印象に残るのは、トラックの荷台の格子越しに見えるロビン・ウィリアムスの表情だ。 

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