The Cell
2000年,アメリカ,107分
監督:ターセム・シン
脚本:マーク・プロトセヴィッチ
撮影:ポール・ローファー
音楽:ハワード・ショア
出演:ジェニファー・ロペス、ヴィンセント・ドノフリオ、ヴィンス・ヴォーン、マリアンヌ・ジャン=バプティスト
シカゴ郊外のキャンベル・センター、意識不明の少年の脳に入り込み少年を治療しようと奮闘する女性キャサリン。一方、女性を強姦し漂白して遺棄する連続殺人事件を追うFBI、そしてその犯人。犯人は意外とたやすくFBIに追い込まれ捕まるが、病気の発作で意識を失っていた…
ミュージックビデオ出身の監督ターセム・シンの初監督作品。驚異的な映像で見るものを圧倒するSF・サイコ・ホラー。クローネンバーグとか好きで、サイコ系もドンと来いという人ならば、ツボに入る可能性大。こういう映画は大画面・大音響で見ないとね。
音楽がハワード・ショア(「イグジステンズ」「セブン」)ということで、わかりやすくショッキングな音作りがされていました。しかし、それはそれでかなり心理的な緊迫感を与えるのに役立っていて、大音響下ではかなりびくびくしながら見ざるを得ないという感じ。そして、内部空間がそれ自体で怖いものとして作られており、さらにジュリアのところでのスリル(これはたいしたものではないけれど)もあり、スリラーとしてはなかなかのもの。
映像も予告でおなじみ馬の輪切りなど、見るべきところはまああって、カメラの動かし方もいかにもスリラーっぽくてよい。最も顕著なのはカットのつなぎに急速なパン移動を入れるというようなところ。こういうつなぎを見ると、「あ、これはサイコ系ね」と納得出来る。
というわけで、どこをとってもサイコスリラー。そのほかの要素はどこかに飛んで行ってしまった感じ。ストーリーとか、SF的な部分の細部とかそんなものはどうでもよくて、「とりあえず、怖がらせよーぜ」みたいなスタンスが開き直っていて好感が持てました。
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