Beat
2000年,アメリカ,93分
監督:ゲイリー・ウォルコウ
脚本:ゲイリー・ウォルコウ
撮影:サイロ・カペーロ
音楽:アーネスト・トルースト
出演:コートニー・ラヴ、キファー・サザーランド、ノーマン・リーダス、ロン・リヴィングストン

 1944年ニューヨーク、後に「ビートニック」と呼ばれることになる若者たちが集まり、飲んで騒いでいた。そこには後にウィリアム・バロウズの妻となるジョーンもいた。そんな中、同性愛者のダヴィドは仲間の一人ルシアンに想いを寄せ、行動を起こそうとしていた。そんなルシアンにダヴィドとの関係を何とかするように警告するが…
 ビートニックの父ウィリアム・バロウズが小説家となる以前にビートニックの若者たちとどう関係していたのか、妻ジョーンとはどのような存在だったのかということを事実をもとに描いた作品。

 バロウズといえば思い出すのはやはり、クローネンバーグが監督した「裸のランチ」でしょうか。それを含めた彼の作品群からしてかなり「狂気」に近い作家というイメージがあります。いわゆるビートニックといわれる、ギンズバーグやケルアックとは年齢的にも違いがあるし、作品にも違いがある。それでも彼とビートニックとのかかわりが強調されるのは、この映画に描かれたような話を含めた日常的な関係の話からなのでしょう。
 この映画の難点は、結局のところジョーンという一人の女をめぐる物語となってしまっていて、そういう男同士の関係性が表現し切れなかったことではないかと思う。映画が終わった後のやたらに長い文字説明を見る限り、そんなビートニックたちについて書きたかったのだろうし、題名からしてそのものだし。ジャック・ケルアックなんて最初のほうに出てきたっきりだし。
 ファーストシーンからコートニー・ラヴが非常に印象的で、魅力的なだけにさらにそのビートニックたちの印象が弱まる。
 それにしてもこの映画のコートニー・ラヴはいいです。ものすごい美人というわけではないけれど、どこか不安定なものもありながらしかしどこか冷静で落ち着いているという感じ。その感じがとてもいい。それをうまく表現するコートニー・ラヴはすばらしい。それと比べると、非常に魅力的な人物として描かれているルシアンはちょっとなさけない。あまり魅力的には見えない。
 コートニー・ラヴを見よ! ということです。

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