1984~93年,イギリス,44分
監督:トニー・ヒル
撮影:トニー・ヒル
出演:キース・アレン、ジェームズ・モーガン、ボニー・ヒル
イギリスの映像作家トニー・ヒルの短編を集めたオムニバス。
作品は「車輪の歴史」「ヴュアーを持つ」「時報映像」「ウォーター・ワーク」「拡張映画」「ダウンサイド・アップ」の6本。
この作品群の特徴は人間と重力の関係の安定性を奪うカメラワーク。カメラを固定する点が重力とはまったく無関係に設定されるので、不思議な空間感覚を味わうことが出来る。
最初の「車輪の歴史」で車輪に固定されたカメラが出てきてこれがかなり面白い。いってしまえば風景がぐるぐると回るだけだが、そのまったく変化させられて視線というのはなんとなく楽しく新鮮だ。それは他の作品でも継続していくが、より明らかになっていくのは「重力」に対する反抗心。「ウォーター・ワーク」の中で壁を蹴って歩く人なんかは完全に重力(ここでは浮力も)を敵にまわしてがんばっている。
見て、感じて、それがすべてという感じ。大画面で見ればよりいっそうのトリップ感が得られたと思う。
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