ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ
Breakfast of Champions
1999年,アメリカ,109分
監督:アラン・ルドルフ
原作:カート・ヴォネガット・ジュニア
脚本:アラン・ルドルフ
撮影:エリオット・デイヴィス
音楽:マーク・アイシャム
出演:ブルース・ウィリス、アルバート・フィニー、ニック・ノルティ、バーバラ・ハーシー、オマー・エプス
CMでも有名な中古車販売会社の社長ドゥエイン・フーバーはその人柄で町じゅうの人から愛されていた。しかし、自殺願望に取り付かれた妻や愛人のフランシーに振り回されてイライラが募る毎日だった。そんなある日、たまたま聞いた無名のポルノ作家キルゴア・トラウトの名前がなぜか頭から離れなくなる。
アラン・ルドルフは「愛を殺さないで」などいろいろなジャンルを手がけている監督。この作品はコメディといいながら、果たしてどの辺がコメディなのかわからない不思議な映画。
ここまでわけのわからない映画は久しぶりに見ました。コメディとしては笑えない。ファンタジーとしては夢がない。サスペンスにしては謎がない。そのくせ先が全く読めない。特におもしろくもないのに、結末が気になって最後まで見てしまう。そんな感じです。
コメディとして気に入ったのは、オマー・エプス演じるウェイン・フーブラーかな。わけのわからない映画に登場するわけのわからないキャラクター。それを野放しにしてしまう映画。そもそも一体どれがギャグなのかわからない。いつの間に車で生活しているのか?
それに対して、ニック・ノルティの役は個人的にはあまり。女装で笑わせるという発想はもう古いという感じがしてしまいます。それならそれで、あれでドラッグ・クイーンとして舞台に立っていて… とか思い切った展開にして欲しかったところです。
それにしてもわけがわからなかった。この映画を理解した人がいたら教えて下さい。ただの笑えないギャグ映画なのか? それとも狂人たちの言葉の裏に込められた何らかの哲学をメッセージとして伝える映画なのか… ポルノ作家といわれるキルゴア・トラウトの存在もまた謎。実は彼の存在は野卑な三文文学を芸術にしてしまういまどきの社会に対する皮肉なのか? などと深読みをしてみたりもします。