逃亡者

The Fugitive
1993年,アメリカ,130分
監督:アンドリュー・デイヴィス
脚本:ジェブ・スチュアート、デヴィッド・トゥーヒー
撮影:マイケル・チャップマン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ハリソン・フォード、トミー・リー・ジョーンズ、ジュリアン・ムーア、ジョー・パントリアーノ

 妻殺しの嫌疑をかけられ、試験となったリチャード・キンブルは護送車の事故に乗じて脱走し、執拗に彼を追うジェラード警部の追跡から逃れながら真犯人を探し出そうとする。
 有名なテレビシリーズをハリソン・フォード主演で映画化した当時の話題作。ジェラール警部を演じるトミー・リー・ジョーンズがアカデミー助演男優賞を受賞した。

 いいですね。面白いですね。まっとうなサスペンスですね。ちょっとハリソン・フォードがいいもの過ぎるのが気になりましたが、トミー・リー・ジョーンズは非常にいいキャラですね。そして彼の仲間たちもかなり素敵な感じです。ちょっと前に、この映画の続編と言っていい「追跡者」という映画を紹介しましたが、それはこの映画でトミー・リー・ジョーンズと仲間たちだった人が主人公の映画で、そっちを見てから、この映画を見返してみると、そのトミー・リー・ジョーンズの仲間たちのキャラに深みが出てきて楽しめますね。
 頭からかなりオーソドックスな映画で、裁判シーンに回想シーンに冤罪という、典型的な展開に、護送車が事故で犯人が逃亡という「手錠のまゝの脱獄」以来のハリウッドの伝統的脱獄手法が出てくるのもまたオーソドックスです。
 といってもそれもこれもおそらく何度も見ているせいで、ほとんどの展開がわかってしまうからなのでしょう。最初に見たときには相当手に汗握り、ハラハラドキドキしながら見ていたはずです。それくらいオーソドックスでいて良質のサスペンス。犯罪の種明かしの仕方も、心理的な盛り上げ方も、いいのですよ。
 私はこの映画がなんだか好きです。なにがと言うわけではないですがなんとなく好き。テレビでやっているとなんとなく見てしまう。やはり脇を固めるマイケル・チャップマン(「レイジング・ブル」)やジェームズ・ニュートン・ハワード(「ER」のテーマ曲を作った人)の力もあるのかもしれません。

ユー・ガット・メール

You’ve got Mail
1998年,アメリカ,119分
監督:ノーラ・エフロン
原作:ミクロス・ラズロ
脚本:サムソン・ラファエルソン、ノーラ・エフロン、デリア・エフロン
撮影:ジョン・リンドレー
音楽:ジョージ・フェントン
出演:トム・ハンクス、メグ・ライアン、グレッグ・キニア、パーカー・ポージー

 ニューヨクで「ショップ・アラウンド・ザ・コーナー」という小さな児童書店を営むキャスリーンは恋人と半同棲状態ながら、インターネットで知り合った男性とのメールのやり取りをひそかに楽しんでいた。そのメール相手は実は大手の書店チェーンの経営者で、キャスリーンの店の目と鼻の先に開店を計画していた。果たして二人はどう出会い、二人の関係はどうなっていくのか…
 トム・ハンクスとメグ・ライアンと言えば、「ジョー、満月の島へ行く」、「めぐり逢えたら」でも組んだ名コンビ、そして監督は「めぐり逢えたら」の監督であるノーラ・エフロン。
 つまり、おんなじ映画ってことね。しかし、この映画は実はエルンスト・ルビッチの「桃色(ピンク)の店」と同じ戯曲を原作にしている。原作は文通がテーマ。

 予想通りです。すべてが。予想外だったのはトム・ハンクスが太っていたことくらい。「めぐり逢えたら」のほうが面白い。「桃色の店」のほうが面白い。いまさらこの映画を作る理由はEメール恋愛がはやっているから、AOLがお金を出してくれるから。です。
 実際に、AOLはこの映画のおかげで相当加入者数を伸ばしたらしいです。まさに現代のハリウッド映画を象徴するような作品。巨大スポンサーに有名スター、昔の名作のリメイク。
 決して映画が面白くないわけじゃなくて、それなりに面白いんですが、そんな「裏」が見えてしまうところが問題。それをうまく隠してしまえば「あー、面白かった」で終われるんだけど、どうしてもその辺に目が行ってしまう。やはりそれを隠すにはもう少し目新しい何かが欲しかったということでしょうか。
 決して面白くないわけじゃないんですよ… 決して…

フレンチ・キス

French Kiss
1995年,アメリカ,111分
監督:ローレンス・カスダン
脚本:アダム・ブルックス
撮影:オーウェン・ロイズマン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:メグ・ライアン、ケヴィン・クライン、ティモシー・ハットン、ジャン・レノ

 ケイトはフィアンセのチャーリーにパリ出張に着いてきてくれと頼まれるが、飛行機恐怖症のため、仕方なく残ることにする。しかし、そんなある日、パリのチャーリーから運命の女性を見つけたという電話が。ケイトは飛行機への恐怖を押し殺してパリ行きの飛行機に乗り込むのだが…
 脚本家として有名なローレンス・カルダンが豪華キャストで作ったロマンティック・コメディ。なんてことない話だが、適度にしゃれてていい感じ。何はなくともメグ・ライアンの魅力全開! という映画だと思います。

 なんといってもメグ・ライアンはよかった。かわいかったし(この人はいつまで「かわいい」といわれるのだろうか…)、演技もよかった。やっぱりメグ・ライアンはラブコメだね! ということなのです。ジャン・レノも相当胡散臭くてよかったですがね。
 ということで、総括としては「たいした映画ではないけれど、見所は意外とたくさんあるよ」です。

グロリア

Gloria
1999年,アメリカ,107分
監督:シドニー・ルメット
脚本:スティーヴ・アンティン
撮影:デヴィッド・ワトキン
音楽:ハワード・ショア
出演:シャロン・ストーン、ジェレミー・ノーサム、ジーン・ルーク・フィゲロア、キャシー・モリアーティ

 刑期を終え、出所したグロリアは昔の恋人でヒスパニック系マフィアのケヴィンのところに約束の金を受け取りに行く。一方、ケヴィンの部下は組織の金を横領した会計士の一家を惨殺、少年が一人生き延びるが、あえなくマフィアにつかまり、ケヴィンのところに。約束の金をもらえなかったグロリアはその少年を連れてケヴィンのところから逃げ出した…
 ジョン・カサベテスの代表作を巨匠シドニー・ルメットがリメイク。さすがにルメットでそれなりに見られる作品には仕上がっているが、カサベテスのグロリアが、ジーナ・ローランズが、頭に残っていると、どうにも物足りない。どっちも見ていないという人は、こっちを先に見て、それからカサベテスを見ればきっと二度楽しめます。

 どうなんだろう?  なるべくカサベテスのジーナ・ローランズのイメージをぬぐって考えてみると、まあまあなアクション映画という感じでしょうか。ちょっと内面描写が弱い気がするくらいで、サスペンスとしてはなかなかの出来。アクション映画と考えると今ひとつ。
 でも、やはりリメイクということを考えると、ジーナ・ローランズのあの強烈さがない分物足りないし、撮り方もあまりにあたりまえすぎる。この映画でよかったところといえば、車にしがみついてきた男を、グロリアが隣の車にぶつけるところくらい。あとはトントントンと普通の画面が続いていく。でも、自然ではあるのでストーリーを追う邪魔にはならない。
 カサベテス版を見ていないという人がいたら絶対見るべきです。おそらく予算は10分の1くらい、でも10倍面白い。
 それにしても、子供が妙に似てたような気がしたんですが、そんなことなかったですかねえ…

ソルジャー

Soldier
1998年,アメリカ,98分
監督:ポール・アンダーソン
脚本:デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
撮影:デヴィッド・タッターサル
音楽:ジョエル・マクニーリイ
出演:カート・ラッセル、ジェイソン・スコット・リー、ジェイソン・アイザック、コニー・ニールセン

 1996年、生まれたばかりの赤ん坊を兵士として英才教育するプロジェクトが始まった。戦争を友達と説き、脱落者は容赦なく殺す。そんな教育で育った兵士たちは続く戦乱の世の中で活躍していた。しかし40年後、新たに遺伝子操作によってより優秀なソルジャーが開発された。旧ソルジャーのリーダートッドは新ソルジャーによって殺され、廃棄物の星に捨てられる。しかしトッドは生きており、そこには難破船に乗っていた人々が住んでいた…
 近未来の恐怖を描いたオーソドックスありがちなSF映画。B級映画だと思えば十分見られるくらいの作品。結構いい出来かな?

 まあまあ、筋はとってもわかりやすく、次の展開が読める読めるという感じ。撮り方もかなりオーソドックスで、見せたいシーンはスローモーション。はるかに協力なはずの新ソルジャーは思ったとおり弱いし、すべての複線が何らかの結果に結びつくし… でも、そんなわかりやすさがB級映画らしいよさのなのでしょう。といっても、なかなかわかってもらえないとは思いますが…
 この映画を仮に普通の映画として捉えたとしたら、いいところは一点。徹底してソルジャーが無表情なところ。設定上当然なんだけれど、そこは人情ついついラストシーンくらい人間らしさを取り戻して、笑わせてみたいもの。そこをじっと我慢して、最期までクスリともさせない。そこがよかったですね。
 あとはB級的な楽しみです。しかも並みのB級映画。

アウト・オブ・サイト

Out of Sight
1998年,アメリカ,123分
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
原作:エルモア・レナード
脚本:スコット・フランク
撮影:エリオット・デイヴィス
音楽:クリフ・マルティネス
出演:ジョージ・クルーニー、ジェニファー・ロペス、ヴィング・レームズ、アルバート・ブルックス、キャサリン・キーナー

 200回以上の銀行強盗を重ね、三度目の刑務所に入所中のジャックは脱獄計画を聞きつけ、それに便乗して脱獄をしようと計画する。そして、計画どおり脱獄を実行するジャックだったが、出口にたまたまいた女性捜査官エレンに出くわしてしまう。エレンをトランクに押し込み、逃げ出した。
 『セックスと嘘とビデオテープ』で衝撃的なデビューをしたスティーヴン・ソダーバーグがエルモア・レナードの原作を適度にしゃれていて、適度にスリリングなよく出来たサスペンスに仕上げている。

 全体的にうまく整った作品。原作者のエルモア・レナードはかなりの数の原作・脚本を手がける名手。代表作としては、最近では『ジャッキー・ブラウン』、古いところでは『シノーラ』というところ。『ゲット・ショーティ』(バリー・ソネンフェルド監督)では、今回と同じく脚本家のスコット・フランクとコンビを組んでいる。何が言いたいかといえば、非常にこなれた脚本だということ。物語のプロットが周到に用意されていて、あとは監督がうまく仕上げればいい映画になるという感じ。
 で、監督はなかなかうまく、きれいに、スタイリッシュに仕上げている。シーンとシーンの切れ目でかなり使われたストップモーション(というより静止画)も常套手段のようでいて、やはり効果的。全体の印象をかなり引き締める。ラブシーンでも使われていたのには少々食傷でしたが…  で、キャスティングがまたいい。昨日の『ハイロー・カントリー』とは違ってね。やはり、ジョージ・クルーニーっていうのは善人の顔してないんだよね。どこか悪いやつっぽい。でも本当は心やさしいという顔。ジェニファー・ロペスもかなりはまり役。バディのヴィング・レームズもかなり好き。一応キャスティングはフランシヌ・メイスラーという人だそうです。フィルモグラフィーをみると、最近では、『マン・オン・ザ・ムーン』『ユー・ガット・メール』『ガタカ』なんかを手がけているようです。そういわれてると、いいキャスティングだったような気も…『ガタカ』のジュード・ロウとかね。
 まあ、そんなマニアックな話も織り交ぜつつ、見る価値はあるといいたいだけです。しかも「なんかビデオ見たいなー」というときに見る。

ハイロー・カントリー

The Hi-Lo Country
1998年,アメリカ,114分
監督:スティーヴン・フリアーズ
原作:マックス・エヴァンズ
脚本:ウォロン・グリーン
撮影:オリヴァー・ステイプルトン
音楽:カーター・バーウェル
出演:ビリー・クラダップ、ウディ・ハレルソン、サム・エリオット、ペネロペ・クルス、パトリシア・アークエット

 第二次大戦後のアメリカ西部。故郷ハイローへ復員してきたカウボーイの青年ピートはダンス・パーティーでモナに心を奪われる。しかし彼女は戦争中にのし上がり町を支配するジムエドの側近の妻となっていた。一方ピートの親友ビッグ・ボーイも復員してくる。ジムエドに対抗しようとがんばる二人だったが、ビッグ・ボーイがピートに紹介した恋人はモナだった。
 サム・ペキンパーが映画化しようとして果たせなかった作品をマーティン・スコセッシが製作に乗り出し映画化した作品。ヒロイックでスタンダードな西部劇だが、懐古趣味に走るのではなく近代化にゆれるカウボーイを描くことで、現代的な人間ドラマとしても見られる作品になっている。

 終わってみれば、英雄ビッグ・ボーイの生涯という感じの話だが、全体的には深みのある人間ドラマで見ごたえがあった。男と男が砂漠で決闘といういわゆる西部劇のイメージとは少しずれるのだけれど、実際はこれがスタンダードな西部劇だと思う。一人のヒーローがいて、それを取り巻く人々のドラマがある。恋愛があり、男と男の戦いがあり、悲劇の死がある。それを澄み切った淡々とした映像で切り取っていくクールな映画。
 まあ、それ以上言うことはなかったのですが、なぜそれほどこの作品に入れ込めなかったかといえば、パトリシア・アークエット(モナ)より、どう見てもペネロペ・クルス(ジョセファ)のほうがかわいいから。どうもピートの気持ちに入り込めなかったせいですね。「何で?ジョセファにすればいいじゃん」と思ってしまう自分が常にいたせいでね。こう考えると、キャスティングってのは映画にとって非常に重要ですね。でも、世の中の人はモナのほうに心惹かれたのだろうか? 

赤ちゃん教育

Bringing Up Baby
1938年,アメリカ,102分
監督:ハワード・ホークス
脚本:ダドリー・ニコルズ、ヘイジャー・ワイルド
撮影:ラッセル・メティ
音楽:ロイ・ウェッブ
出演:ケイリー・グラント、キャサリン・ヘップバーン、チャーリー・ラグルス、メイ・ロブソン

 恐竜学者のデヴィッド・ハクスリーは研究仲間のアリスと明日結婚する予定だった。デヴィッドは研究所の資金集めのため接待ゴルフに出かけるが、そこで人の球を勝手に打ち、人の車に勝手に乗るスーザンに出会う。デヴィッドは彼女のおかげで接待をめちゃくちゃにされてしまった…
 ハワード・ホークス、ケーリー・グラント、キャサリン・ヘップバーンというハイウッド黄金期に輝くスターがそろったスクリューボールコメディの名作。次から次へと繰り出される展開に圧倒される。今から見れば、定番の笑いの形の連続だが、それは逆にいえば、このころのコメディが現在のコメディの原型になっているということ。

 今見ると、爆笑ということはない。大体次の笑いの展開は読めるし、オチも読める。そして見終わって、「何かどリフみたいだな。」と思ったりする。それは、この映画の笑いのパターンが今もどこかで使われているということ。何もこの映画が原点というわけではないが、ひとつのコメディの型となったいわゆる「スクリューボールコメディ」の名作のひとつではある。
 笑いの構造を分析していけば、そのことは明らかで、たとえば留置所の場面で最初に二人が捕まえられ、電話をかけ、もう二人捕まえ、また電話をかけるというくり返し、そこにまた現れる二人…。しかしその二人はつかまらず、逆に無実を証明する。そこにまたやってくる二人、今度は新たな厄介をしょって…。このような繰り返しによる笑いのパターン。
 などといってみましたが、笑いを分析するほどつまらないことはない。のでやめましょう。
 しかし(と、またごたくを並べる)、「こんな笑えないコメディ見て楽しいのかよ」といわれると悔しいので、この映画を見ることを正当化したい欲求に駆られただけです。結構面白いですよね、こういうのも。

デッドマンズ・カーブ

The Curve
1998年,アメリカ,90分
監督:ダン・ローゼン
脚本:ダン・ローゼン
撮影:ジョーイ・フォーサイト
音楽:シャーク
出演:マシュー・リラード、マイケル・ヴァルタン、ランドール・バティンコフ、ケリー・ラッセル

 「ルームメイトが自殺したら、その学期の成績は自動的にオールA」という噂を信じて、ルームメイトを殺そうとたくらむテッドとクリス。二人はルームメイトのランドを酔わせ、偽の遺書を作って、崖から突き落とす計画を立てた。
 大学を舞台にしたサスペンス。とてもシンプルなつくりだが、非常によく練った脚本で最後の最後まで目を離せない展開がいい。

 そんな話が本当にあるのか知らないけれど、設定自体が非常にうまい。サスペンスというには犯罪のアイデアと犯人探しの道筋で話の面白さが決まってしまうが、この話は非常に巧妙。古典的な犯人探しの物語ではなく、事件自体が…(みた人にはわかると思うので、書かないようにします)
 ということで、かなりいいシナリオなのです。監督も役者もカメラマンもみんな知らない人ですが、これからじわじわと出てくるのではないかと期待させる人たちだと思います。特にティム役のマシュー・リラードの切れ具合がかなりよかった。どこか狂った役を演じられる役者を私は買いますが、この役はまさにそう。(正確には狂った役を演じる役を演じているのですが…、あ!これ以上は…)
  そんないい感じの若手の役者たちの爽やかな、しかし内容的には爽やかとはいえない映画。なんとなく歪んだところが好きですね。

アンツ

Antz
1998年,アメリカ,83分
監督:エリック・ダーネル
脚本:トッド・アルコット、クリス・ウェイツ、ポール・ウェイツ
映像:ケン・ビエレンバーグ
音楽:ハリー・グレッグソン・ウィリアムズ、ジェフ・ザネッリ
出演:ウッディ・アレン、シャロン・ストーン、ジーン・ハックマン、クリストファー・ウォーケン、ジェニファー・ロペス

 地中に広がるアリの王国。働きアリのZ(ジー)はいっしょに働くアステカにも馬鹿にされるほど役立たずの働きアリだった。そんなアリの王国の将軍マンディブルは新たな王国のためのプロジェクトとして働きアリたちに苛酷な労働を課していた。そんなある日、ジーは庶民のバーにもぐりこんだ王女のバーラに出会う。  ドリームワークスが作り上げたフルCGアニメ。ディズニーのCGとは確かに違う。結局は子供向きアニメの発展版という感じだけれど、主役の声がウッディ・アレンというのが非常にナイス。

 どうも昔からディズニー・アニメっていうのが肌に合わなくて、それはCGになってからなおさらで、「トイ・ストーリー」なんかも、話がなかなか面白いのはわかるけれど、どうもだめ。という感じ。それと比べるとこの「アンツ」は抵抗感が少ない。やはりディズニーと違って画面に偽りの現実感がないからでしょうかね。ディズニーのアニメって言うのはなんだかいつも中途半端に現実的で気に入らない。人間なんかを妙にリアルに表現しようとしている。それと比べるとドリームワークスはアニメとしてのリアルさを求めているような気がしていい。たとえば、この映画で出てくる子供の足なんかは、明らかに漫画チックな足で、リアルではないんだけれど、アリの視点からすれば、それでいい。それがディズニーになると、その足のリアルさにこだわって、妙な感じになってしまう(ようなきがする)。
 まあ、あくまで偏見ですけどね。