演劇2

演劇2

 日本を代表する劇作家・演出家のひとりである平田オリザ、彼が主催する劇団「青年団」は東京にある「こまばアゴラ劇場」を中心に活動を行なっている。「観察映画」を実践するドキュメンタリー映画作家想田和弘はその青年団の稽古や本番、事務仕事から平田オリザの様々な活動にまで密着、4年の歳月をかけて『演劇1』『演劇2』という2本の作品にまとめあげた。
その「2」では、講演や交渉などの演劇そのもの以外の活動や海外公演、新たな試みとして取り組む「ロボット演劇」に焦点を当て、演劇とその外部との関係を描き出した。

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演劇1

 日本を代表する劇作家・演出家のひとりである平田オリザ、彼が主催する劇団「青年団」は東京にある「こまばアゴラ劇場」を中心に活動を行なっている。「観察映画」を実践するドキュメンタリー映画作家想田和弘はその青年団の稽古や本番、事務仕事から平田オリザの様々な活動にまで密着、4年の歳月をかけて『演劇1』『演劇2』という2本の作品にまとめあげた。
その「1」では、平田オリザの演劇術を精緻に観察、その方法論をひとつの物語にまとめた。

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グッモーエビアン!

グッモー・エビアン

 中学生のハツキは母親のアキとその恋人のヤグと暮らしているが、自称ミュージシャンのヤグは「世界ツアー」のため2年前から世界を放浪している。そのヤグが突然帰ってきてハツキは嬉しい半面、仕事もせずにぶらぶらするうざいヤグに反感も覚える。そして、そんなハツキの気持ちを理解せずヤグのことを羨ましがる親友のトモちゃんとも喧嘩してしまい…
吉川トリコの同名コミックの映画化。ヤグを演じる大泉洋のウザさとアホさ加減が絶妙のコメディ・ドラマ。

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タリウム少女の毒殺日記

 カエルを解剖し、取り出しても動き続ける心臓を映像に記録し、YouTubeにアップする少女、彼女は2005年にタリウムで母親を毒殺しようとした「タリウム少女」を2011年に置き換えたと仮定した人物像。学校ではいじめられるが、数字に執着し、様々な実験の一環として母親にタリウムの投与を始める。果たして今回の実験の結果は…
『新しい神様』の土屋豊が実際の事件をモチーフに現実と虚構、人間をどれだけコントロールできるかなどをテーマに描いた異色作。「身体改造アーティスト」Takahashiも異様な存在感を放つ。

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311

 東日本大震災の発生から2週間後、映画監督の森達也、映像ジャーナリストの綿井健陽、映画監督の松林要樹、映画プロデューサーの安岡卓治の4人は1台の車で福島に向かった。何をすればいいのかわからない中、とにかく現地に行ってその目で観て映像に記録する、ただそれだけのためにはじめた旅。福島から宮城、岩手へと旅を続けた彼らは自らを省みるためこれを公開することを選ぶ。
未曾有の災害を前にマスメディアのあり方を自ら問い直した問題作。観る者にも「その時」を問いかける。

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あぜ道のダンディ

 運送会社で働く宮田淳一は胃の痛みに悩まされていた。大学浪人中の息子と高校3年の娘を持つシングルファザーの彼は、自分が癌なのではないかと悩み、唯一の友人である真田に居酒屋で悩みを打ち明ける。悩みを抱えながらも子どもたちの前ではダンディであろうと強がる宮田だったが、子どもたちとの間には会話もあまりなくギクシャクした関係が続いてしまう…
『川の底からこんにちは』の石井裕也が中年のオジサンの悲喜こもごもを描いたコメディ。まともすぎてちょっと拍子抜け。

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TOKYO!

 田舎から出てきて東京で友達の家に居候するカップルの苦難を描いたミシェル・ゴンドリー監督の『インテリア・デザイン』、下水道に住む怪人がマンホールから現れ、東京のまちを混乱に陥れるレオス・カラックス監督の『メルド』、10年間引きこもりだった男がピザの配達員の少女の目を見つめてしまったことから起きる事態を描いたポン・ジュノ監督の『シェイキング東京』。
東京が舞台という以外共通点はないが、どの監督も目に見えるそのままの東京を描いてはいない。それぞれにストーリー的な面白さもしっかりある佳作揃い。

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ハラがコレなんで

 妊娠九ヶ月の光子は親にはサンフランシスコに住んでいると嘘をつき日本で暮らしていたが、お金も底をつきアパートを引き払うことに。家も何もなくなった光子は子供時代の数年を過ごしたオンボロ長屋の大家を頼りそこに転がり込む。そして、何でも勝手に引き受ける光子は幼なじみの陽一の食堂の手伝いも始めるが…
『川の底からこんにちは』の石井裕也が仲里依紗を主演に作った人情コメディ。

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槌音

 2011年3月11日に起きた東日本大震災、大槌町出身の大久保さんは震災後に大槌町に入り、街の惨状を撮影する。その映像と、過去の地元の祭やホームビデオの映像を組み合わせた作品。
震災前と震災後がオーバーラップすることでこの震災がどのようなものであったかを浮かび上がらせる。

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大津波のあとに

大津波のあとに

 2011年3月11日に起きた東日本大震災、東京に暮らす森元さんはその10日後、被災地に向かって出発する。23日の仙台の荒浜地区の映像で映画は始まり、そこから北へと移動してゆく。津波の破壊の跡を映し、被災者の声を聞き、小学校の卒業式を撮影し、たくさんの子供たちが亡くなった小学校に行く…
震災から2週間後の被災地を撮影した貴重な映像を一貫して一人称で撮り続けたドキュメンタリー。心してみるべし。

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