ノストラダムス
Nostradamus
1994年,アメリカ=イギリス=ドイツ,118分
監督:ロジャー・クリスチャン
脚本:ナット・ボーサー
撮影:デニス・クロッサン
音楽:バーリントン・フェロング
出演:チャッキー・カリョ、アマンダ・プラマー、ジュリア・オーモンド、ルドガー・ハウアー
大地が口をあけ、巨大都市を飲み込む。少年ミシェル・ド・ノストラダムスが見た夢は果たして単なる悪夢だったのか… 成長し医師として頭角をあらわすミシェル。ペストがとどまることなく流行していた時代、それは狂信的な異端弾圧の時代でもあった。
という、ノストラダムスの生涯を伝記映画化した作品。
結局のところ、焦点が定まっていないというか、なんというか… 中立の立場をとって人間としてのノストラダムスを描こうという意図はわかるのだけれど、その割には人間ドラマにしてしまうのでもない。そのあたりの中途半端さがどうも納得いかず。
映画のつくりとしては、ノストラダムスが最初に身を寄せる家が妙に不自然だったことをのぞけば、非常にオーソドックスな中世映画という趣で、文句はないけれど、特に誉めるべきところもない。無理からいうとしたら文句のほうで、ちょっと安っぽいかなという感じ。どこのシーンでもショットのアングルが限られていて、映像に変化が乏しい。予算の関係上セットにお金がかけられないのかもしれませんが、こうなるとなんかテレビドラマじみていて、ちゃちい印象になってしまうことは避けられないのです。
それに反して、役者達はなかなかいい演技を見せていて、フランスが舞台なのに全員が英語を話すというハリウッド映画っぽい問題点をのぞいては、自然でいい。